1-3月期決算は純利益2.5倍、4-6月期に一段の利益成長を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01893 中国中材股フン有限公司(チャイナ・ナショナル・マテリアルズ)  7.7 HKD
(05/05現在)
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中国中材の2011年1-3月期決算(中国会計基準)は、純利益が前年同期比の2.5倍に当たる2億200万元に達した。BOCIは中国会計基準(A株)と国際会計基準(H株)の相違を把握しきれていないと前置きしながらも、同期純利益が国際会計基準に基づく通期予想の13%に達したことに言及している。昨年1-3月期には、この割合はわずか7.4%だった。また、中国会計基準に基づく1-3月期決算では、少数株主利益の伸びが税引き後利益全体の伸びを下回ったことから、A株上場対象外となっている事業部門が力強い成長を示したとみられている。非A株上場部門は主に、ガラス繊維、高付加価値セラミック、広東省および湖南省のセメント生産ラインなど。BOCIの分析によると、非A株上場部門は1-3月期に4600万元の純利益を計上し、前年同期の3000万元の純損失から黒字に転換したという(中国会計基準)。

1-3月期もセメント設備・エンジニアリングサービス部門が最大の利益源となり、この部門の旗艦子会社である中国中材国際工程(600970)は前年同期比18%の増益を達成した。中国中材国際の粗利益率は前年同期の13.8%から13.7%へやや下向いたが、同期の新規受注は89%増の80億元を記録している。また、セメント生産部門は冬季の閑散期に当たったが、平均粗利益率は1トン当たり79元から84元に上昇した。ガラス繊維部門も回復傾向を持続し、販売量は14%増、平均販売価格は19%上昇。部門粗利益率は15.6%から23.0%に上向いた。このほか、ハイテク素材の多くも力強い伸びを示し、中でも太陽エネルギー・シリコン溶融ルツボの生産量が8.7倍に増加。粗利益率は前年同期の15%から49%へ急上昇した。

一方、同期にみられた唯一の弱点はローターブレード(回転翼羽根)部門。販売量が12%落ち込み、市場競争の激化を背景に平均販売価格も18%低下した。原材料高騰も響き、部門粗利益率は33%から21%へ大幅に悪化した。

BOCIは4-6月期について、前四半期比での大幅な利益の伸びを予想している。北西部の新規セメント生産ラインが3カ月間フルに寄与することなどが理由。また、ガラス繊維部門の業績改善を見込み、太陽エネルギー部門の販売も急成長を遂げるとみている。

BOCIは1-3月期決算を受けて製品価格とローターブレード生産量に関する想定値を引き下げ、11年の利益見通しをやや下方修正。一方、12-13年については、ハイテク素材部門、セメント生産部門の好業績を見込み、予想純利益を5-7%上方修正した。同社はセメント設備・エンジニアリングサービスの国内最大手であり、太陽エネルギー・シリコン溶融ルツボ生産を手掛けるのは同社を含めて世界にわずか4社。BOCIは同業銘柄のバリュエーション低下などを理由に、目標株価を引き下げながらも、各分野で主導的に地位にある同社を前向きに評価。株価の先行きに強気見通しを継続している。