11年1-3月期は17%増益、新規取得資産の貢献度が明らかに
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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01088 | 中国神華能源(チャイナ・シェンフア・エナジー) |
36.25 HKD (05/03現在) |
株価 企業情報 チャート |
石炭大手、中国神華能源の2011年1-3月期決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比17%増の110億元と、BOCIの予想にほぼ即した水準だった。同社は親会社から炭鉱の権益など87億元の資産を買い取る手続きを先ごろ完了。これを反映し、当期決算では前年同期の利益をおよそ2億元引き上げている。
当期の石炭生産量は前年同期比15%増の7040万トン。販売量は、外部からの石炭調達を1.6倍に増やして需要に対応した結果、同36%増の9340万トンに達した。石炭の平均実勢販売価格は前年同期比5%高の1トン当たり417.1元にとどまったものの、同6%高(115.2元)となった平均生産コストを相殺するには十分だった。
平均実勢販売価格が予想以上に伸び悩んだ背景には親会社から取得した炭鉱が影響している。これらの炭鉱では石炭の大部分を坑口渡しで販売。このため価格の低い坑口渡しが販売量全体に占める割合が前年同期の15.3%から19.4%に増加し、平均売価の上値を抑えた。BOCIは当初、外部調達分の増加により坑口渡しの割合が10%に低下すると予想していたが、実際は前年同期を上回る結果となった。
BOCIは同社の11年4-6月期利益が1-3月期を若干上回ると予想。石炭販売量は横ばいを維持するものの、国際スポット価格の値上がりが好影響するとみている。11年1-3月期の単位コストは前年同期比6%高と、同社が示す通年想定値の10%高を下回った。BOCIはこの点を踏まえ、今後単位コストが上昇する可能性も指摘している。
BOCIは同社が親会社から取得した炭鉱の利益率が予想以上に低かった点などを考慮し、11年予想利益を3%引き下げた。11年通年の販売量に占める坑口渡しの割合は15%に修正したが、1-3月期の販売量がすでに通年の26.7%を占めていることから控えめな数値としている。BOCIはまた、販売量の大幅な伸びが今後も続くようであれば、通年の予想販売量を見直す可能性も指摘。12-13年予想利益については、スポット市場で港湾FOB価格の上昇率が坑口価格や鉄道輸送駅での現物価格を上回る点を踏まえ、1-2%上方修正した。11-12年は親会社から取得した炭鉱や新規の炭鉱が、13年以降は内モンゴル自治区の「新街台格廟鉱区」が貢献する見通し。同区の炭質は同社の保有する陝西省神東鉱区と同水準という。BOCIは今後の石炭生産量の増加が明確な点を評価し、同社の株価の先行きを強気見通しに据え置いた。また向こう数年間高い増益率を維持するとみて、バリュエーションを11年予想PER15倍から16倍に引き上げ、目標株価を上方修正している。