1-3月期に28%増益、欧米景気回復に伴う利ざや拡大を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03988 中国銀行股フン有限公司(バンク・オブ・チャイナ)  4.34 HKD
(04/29現在)
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中国銀行の2011年1-3月期決算は、純利益が前年同期比27.8%増の334億3900万元と、BOCIの予想をやや上回った。利ざやは前年同期比7ベーシスポイント拡大する一方、前四半期比では2ベーシスポイント縮小し、予想を下回ったが、純金利収入は金利派生資産の拡大を背景に前年同期比20.3%増。手数料収入、その他非金利収入(トレーディング関連収入など)は予想以上に好調で、それぞれ18.7%、54.8%の伸びを示した。また、引当額は21.7%縮小し、予想を下回る数字にとどまった。

期末の貸出残高は昨年末比で5.23%増。この伸び率はほぼ中国農業銀行(01288)の5.27%と並び、中国工商銀行(01398)、中国建設銀行(00939)を上回るペースを示した。国内向け人民元建て融資の伸びが同4.16%だったのに対し、外貨建て融資の伸びは7.86%。中国人民銀行(中央銀行)が実施している融資の量的規制は主に人民元建て貸し付けを対象としているため、国内外の外貨建て融資に強みを持つ中国銀行には有利な環境となった。BOCIは今後も、大手行の中で相対的に高い貸出伸び率を維持する見通しを示している。

1-3月期の純手数料収入は18.7%増の185億8200万元。その他非金利収入は54.8%増の114億4900万元。経常収益に占める非金利収入の割合は1.8ポイント上昇し、35.94%に達した。この数字は同業銘柄の中でも相対的に高水準となる。

期末の不良債権残高、不良債権比率は619億5000万元、1.04%と、昨年末の624億7000万元、1.10%からいずれも改善。不良債権引当率はこの間に196.7%から206.0%に上向いた。一方、貸出総額に対する引当率は2.17%から2.14%に低下しており、BOCIは今後も低下圧力が続く可能性を指摘している。

一方、米サブプライムローン関連証券の保有高は期末に27億5100万元相当で、関連減損引当金は21億8300万元。米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)債、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)債の保有高は7億4000万元と、サブプライム関連リスクは極めて低いレベルとなった。また、ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインの政府・機関債の保有高は額面で14億4800万元と、昨年末から7億1800万元縮小し、関連減損引当金は6億4000万元。BOCIは管理可能なレベルにあるとみている。

同社株価は現在、11年予想PBR(株価純資産倍率)1.42倍、予想PER8.96倍で取引されており、この両指標はいずれも中国工商銀行、中国建設銀行を下回る水準にある。BOCIは1-3月期決算のウイークポイントとして前四半期比での利ざや縮小を指摘しながらも、今後は回復に向かうと予想。その理由として欧米経済の回復に伴い、外貨金利が年内に底入れする見通しを示した。同行株価の先行きに対しては強気見通しを継続している。