1-3月期決算で49%増益、利ざや拡大や手数料収入の伸びが好決算に寄与
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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03968 | 招商銀行股フン有限公司(ショウショウギンコウ) |
20.40 HKD (04/29現在) |
株価 企業情報 チャート |
招商銀行の2011年1-3月期決算は、純利益が前年同期比49%増の88億1000万元と、BOCIの予想をやや下回った。主に貸倒引当金が前年同期を約5億元上回ったことが、予想とのかい離の理由であり、引当前利益は予想を超える水準に達した。同期の増益決算を支えたのは主に、利ざやの拡大や手数料収入の伸び、営業費用の相対的な安定推移。前四半期比では70%の力強い利益成長を記録している。
1-3月期の利ざやはBOCI予想を下回ったものの、相対的に高水準となる3.06%。新規の企業向け一般融資、個人向け融資における加重平均金利変動幅はそれぞれ前年同期を7.13ポイント、12ポイント上回った。銀行間市場での資金調達額の増大が利ざやの重しとなったものの、預金全体に占める要求払預金(普通預金など)の比重が56.7%に達したことや、中小企業向け融資の急増(新規融資全体の36.5%に相当する270億9600万元)などが利ざやの改善を支えた。また、1-3月期にはインターバンク資産の規模が昨年末比で25.8%増。総資産、貸付総額はわずか同7.2%、4.8%増。BOCIは同行の利ざや拡大ペースが多少鈍化していると指摘しながらも、今後も拡大基調が続く見通しを示している。
一方、3月末の不良債権比率、不良債権残高は0.61%、92億6000万元と、昨年末比でそれぞれ0.07ポイント、4億2600万元低下した。貸倒引当金は前年同期を4億9200万元上回る20億5000万元。不良債権引当率は昨年末を33ポイント上回る335.3%まで上向き、貸出総額に対する引当率も0.016ポイント高の2.06%に達した。BOCIは10年10-12月期にみられた不良債権比率および不良債権残高の上昇や1-3月期の引当額の積み増しが、資産の質的レベルに対する警戒感につながると指摘している。
コスト面では予想以上の安定感を示し、1-3月期の営業費用の増加幅は18億3000万元。対収入コスト比率は33%と、前年同期を2ポイント下回った。
純手数料収入は前年同期比62.3%増の39億2000万元と、同業銘柄の中でも突出した伸びを記録した。主に銀行カード、代理サービス、受託業務などが、手数料収入全体の伸びをけん引した。これにより、手数料収入のウエートは前四半期を2ポイント上回る17.5%に上昇。BOCIは第2弾となる内部改革の進行を理由に、今後も非金利収入の急速な伸びが続く見通しを明らかにしている。
BOCIによると、同行の株価はこの先の追加資金調達の可能性を織り込み、11年、12年予想PBR(株価純資産倍率)で1.73倍、1.53倍の水準で取引されている。BOCIは同行の成長性を理由に、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。