お金と投資をもっと身近に
facebook twitter
第3回収入を求める人が陥りやすい「分配金=利息」の罠
中桐 啓貴
早期退職を叶える投資信託活用法
「55歳でプチリタイアを検討しているけど…どうプランを立てたらいい?」「するかどうかは別として、早期退職できるくらいの余裕を持っておきたい」――このようなご相談でFP事務所を訪れ…

第3回収入を求める人が陥りやすい「分配金=利息」の罠

2015/11/11
早期退職から年金受給期間までには、「収入の空白期間」が生まれます。その心理的不安から、毎月分配型の投資信託を利用することを頭に思い浮かべる人も多いでしょう。でも、分配金を利息と同じように考えていると、あとで後悔することになるかもしれません。
facebook twitter メールで送る 印刷

早期退職から年金受給期間までには、「収入の空白期間」が生まれます。その心理的不安から、毎月分配型の投資信託を利用することを頭に思い浮かべる人も多いでしょう。でも、分配金を利息と同じように考えていると、あとで後悔することになるかもしれません。

「分配金=安定的な収入」は誤解。元本から分配金が出ていることも!

早期退職後の収入源として毎月分配型投信を用いるメリットは、過去の分配金実績から毎月受け取れる分配金額のシミュレーションができること。たとえば毎月150円分配金が受け取れ、基準価額が1万円の投資信託の場合、「分配金150円×12カ月÷1万円=18%」と、1年間で18%の収入が得られると計算できます。元本3000万円で年利18%=年約430万円(税引き後)になるので、「これなら生活できる」などと思いがちですが、この計算が当てはまるのは「分配金が運用益から出ている」場合のみ。分配金は必ずしも「運用益」から出ているのではなく、運用状況がよくないときは「元本の取り崩し分」があてられることがあります。予想していたよりも早いペースで元本が減ってしまった結果、早期退職を後悔するなんてことにならないよう十分な確認が必要です。

また分配金は、運用会社の戦略に応じて途中で減額されたり、増額されることも。毎月の受け取り金額を自分で決められないという点も、早期退職の際に分配型の商品を利用する際の注意点と言えるでしょう。

マーケットの上昇局面で差がつく分配金の受け取り方

実際に元本から分配金が支払われると、どのようなことが起きるのでしょうか。下のグラフは、同じ投資信託で毎月分配金を受け取ったケースと、分配金を再投資したケースの基準価額を比べたもの。図から分かる通り、マーケットの上昇局面において、毎月分配金を受け取る場合と再投資する場合で、戻りに大きな差が出ています。これは分配金が元本から支払われる分だけ、その投資信託の運用資産が減少するためです。長期で資産運用をするなら、分配回数の少ない商品や分配金を再投資するほうが、複利効果で運用資産が増えていくことが期待できます。“取らぬ狸の皮算用”とならないためにも、毎月分配型投信の活用には十分な注意が必要なのです。

図:同じ投資信託の「基準価額+分配金」と分配金を再投資したケースの想定基準価額
(「再投資リターン」)の推移

※「再投資リターン」は課税前の分配金を再投資換算した基準価額であり、当ファンドの公表している基準価額に、各収益分配金(課税前)を毎月末再投資したと仮定して算出したもの。分配金に対する税金は考慮していないため、実際に投資家が得るリターンとは異なります。

それでも投資信託を使って毎月の収入を得たい場合には

まず考えられるのは、資金を運用しながら毎月一定の金額、あるいは口数を解約していく方法。自動解約サービスを提供している証券会社もありますが、サービス取扱い会社、商品数ともにまだ限られているのが現状です。自分で手間をかけられるという人は、資産全体のプランニングの中で自分が必要な分を毎月解約すると良いでしょう。自分で行うのが難しいという場合に味方につけたいのが、実績分配を方針としている投資信託。これは投資信託が得られる利益のなかから分配金を出そうとする商品のことです。たとえば、債券に投資する投資信託であれば、投資対象の資産クラスによってある程度の利回りが予測できます。今の環境下であれば、先進国債券で約1-2%、新興国債券が約5-6%、ハイ・イールド債は約6-7%のリターンが期待できるでしょう。債券が得る利回りと、その投資信託が分配している分配金利回りに大きな差がないようであれば、その投資信託は実績分配を心がけている投資信託だと言えます。反対に、その投資信託が投資対象資産から得ることできる利回りと、分配金利回りに大きな差がある場合には、本当にその分配金を収入の当てにして良いか、考えてみる必要があります。

早期退職をしてから年金がもらえるまでの収入空白期間は、心理的に不安になってしまうもの。だからといって安易に分配金の多い投資信託に飛びつくことのないよう、まずは自分の全体資産のシミュレーション、毎月の必要金額を把握することから始めてみましょう。

次回掲載予定日は12月9日(水)です。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

つみたてNISA
人気記事ランキングTOP

 

このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください第3回収入を求める人が陥りやすい「分配金=利息」の罠

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

第3回収入を求める人が陥りやすい「分配金=利息」の罠

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント

 

 
フレッシャーズ

 
タイムトリップ
 

 

 
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。