中国政府によるガス料金値上げ禁止措置、マイナス影響は限定的
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00392 | 北京控股(北京エンタープライジズ) |
48.95 HKD (12/01現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国政府はインフレ抑制を目的に、このほど北京市、天津市および河北、河南、江蘇、安徽、広東各省の一部を対象に家庭向けのガス料金値上げを禁止する方針を通達した。北京市では11月半ばに開かれた公聴会で、1立方メートル当たり0.23元、0.25元の値上げが提案されていたが、政府の禁止措置のあおりで、値上げが見送られる形となった。こうした中、北京控股の株価は過去1カ月間に7.7%調整し、公共ガスセクターにおけるBOCIのカバー銘柄の中では、中国ガス(00384)に続く値下がり率2位。一方、非住宅向け料金については9月末に値上げが実施され、6月1日に遡って施行された。
同社経営陣は住宅向けガス料金値上げが来年1月1日に実施される可能性に言及しているが、BOCIは北京市での値上げをめぐる不透明感を指摘し、2010-12年の料金据え置きを想定している(1立方メートル当たり2.05元)。ただ、同社のガス販売量全体に占める住宅向けの割合は12-14%に過ぎず、2010-12年の平均販売価格の下げ幅は0.2-1.3%にとどまると予想。また、この間のEPSに及ぼすマイナス影響も0.6-5.3%にとどまると予測している。
ペトロチャイナ(00857)は先月29日、北京産権交易所(財産権取引所)を通じ、中石油北京天然気管道有限公司(PetroChina Beijing Pipeline:PBP)の保有株60%を売り出した。残り40%を保有するのは北京控股。ただ、ペトロチャイナは「石油・ガス採掘セクターの大手国有企業」であることを買い手の条件としており、BOCIはペトロチャイナの子会社・昆侖能源(00135)が有力候補になるとの見方。売り手側のオファー価格190億元でPBPの買収に動く可能性が高いとみている。PBPの登録資本金は102億元で、第三者機関による評価額は315億元。市場ではこの取引をめぐり、昆侖能源の収益増に対する期待感が高まっているが、BOCIは同時に、北京控股にとってもプラスになるとの見方を示している。PBPの利益寄与は北京控股の利益全体の5割弱に上る。
一方、中国政府は12月1日付で、国内企業だけでなく、外資系企業に対しても「都市維持建設税」「教育付加費」の負担を義務付ける方針を発表した。ただ、経営陣によれば、同社および子会社はすでに国内登録企業と同じ税率を適用されており、この件によるマイナス影響は予想されていない。
BOCIは住宅向けガス料金に関する想定値の小幅の修正や傘下の燕京ビール(000728)株の大幅調整などを理由に、北京控股の予想NAV(純資産価値)を下方修正し、目標株価を引き下げた。ただ、その一方でガス料金値上げの禁止措置に対する市場の過剰反応を指摘。同社の安定的な収益見通しと財務の健全性を評価し、同社株価に対する強気の見方を維持している。