1-10月期の新規受注が通年目標を突破、10-12年の受注想定値を約10%上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション) 6.14 HKD
(11/10現在)
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中国建築国際はこのほど、新たに天津市の低価格住宅開発プロジェクトを受注したと発表した。受注額はおよそ8億1000万HKドルで、開発床面積はグロスベースで30万平方メートル。BOCIは同社がすでに取得した天津市の同種のプロジェクトを参考に、IRR(内部収益率)が40%、粗利益率が10%に達すると予想し、投資回収期間は2013年までの2年間になるとみている。また、工期が18カ月間であることを考慮し、新たに取得したプロジェクトの利益貢献が2012年度に6100万HKドルに達すると予測している。

中国政府は2009-12年に低価格住宅1910万戸を供給する目標を掲げているが、これまでの進度は目標ペースを下回っており、今年1-8月期の投資額は395億元と、通年目標達成率はわずか24%。また、すでに着工した同住宅戸数は410万戸で、貧困エリアの再開発部分を合わせても通年目標の消化率は70%にとどまった。こうした中、11-12年にはプロジェクト進度を加速させる可能性が高く、この2年間に少なくとも660万戸を建設する見込み。BOCIは低価格住宅開発プロジェクトの今後の需要増を予想している。

同社はまた、今月9日に1-10月期の業務統計を発表し、新規受注が前年同期比98%増の240億8000万HKドルに達したことを明らかにした。新たに取得した天津の住宅プロジェクトを含めた場合、年初からの新規受注はおよそ248億HKドルと、早くも同社の10年通期目標およびBOCIの予想をそれぞれ24%、7%上回る水準となった。10月に受注した広州-深セン-香港間の連結高速鉄道(9億6500万HKドル)が、全体の数字を押し上げたという。また、現在までの受注残高が通期予想を8%上回る382億HKドルに達したことで、BOCIは新規受注に関する10-12年の想定値を9-10%引き上げ、新たに255億HKドル、282億HKドル、323億HKドルに設定した。

一方、新規受注に占めるインフラ投資の比重が前年の22%から今年1-9月には19%に低下したことで、粗利益率は下向く可能性が出てきた。ただ、BOCIはこの先、インフラ投資のウエートが再び上向くと予想。同社全体の粗利益率が10年の11.1%から12年には12.5%に改善するとみている。

BOCIは新規受注および受注残に関する想定値の引き上げに伴い、同社の向こう3年間の予想純利益を最大2%上方修正したが、長期的にはさらに大きなインパクトを持つとの見方。目標株価を引き上げるとともに、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。