10年1-9月期に49%増益、粗利益率の改善や政府補助金が寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00317 広州広船国際股フン有限公司(グァンジョウ・シップヤード) 15.62 HKD
(10/26現在)
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広州広船国際の2010年1-9月期決算(中国会計基準)は、売上高が前年同期比10.7%減の45億2000万元にとどまる一方、純利益が同49%増の6億400万元に達した(EPSは1.22元)。7-9月期の純利益は同61.1%増の2億6300万元(EPSは0.53元)。鋼材価格が相対的に低水準で推移し、造船部門の粗利益率が6.5ポイント上昇したことが7-9月期の好決算に寄与した。また、製品構成の調整や新製品向けのR&D(研究開発)に絡み1億元を超える政府補助金を計上したことも、同期の大幅増益要因の一つ。ほかにコスト管理の強化が奏功し、販売費、一般管理費などの抑制においても成果がみられた。

7-9月期には世界の造船市況が回復に向かい、新規造船受注は月間平均600万トンを突破した。この数字は造船業界が好況下にあった2006年当時の実績をさらに上回り、確実な業況の回復をうかがわせている。

また、3種類の主要船舶カテゴリー(コンテナ船、バルク船、石油タンカー)の造船価格指数をみても、今年1-3月期からの値上がり傾向が顕著となっている。BOCIによると、世界的な景気回復傾向や川下の貨物輸送需要の回復を背景に運賃が上向き、新造船の発注状況がやや過熱化している状況。また、鋼材など原材料価格の底入れも一因となり、造船価格は底値水準から20%以上の幅で上向いている。

BOCIは直近の決算発表を受け、政府補助金額や粗利益率が予想を上回ったとし、同社の10年通期の利益見通しを上方修正した。また、これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに強気の見方を維持している。