10年6月中間期に51%増益、5月以降の製品価格下落が利益圧迫要因に
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00338 | 中国石化上海石油化工(シノペック上海石化) |
3.09 HKD (08/31現在) |
株価 企業情報 チャート |
シノペック上海石化の2010年6月中間決算は、国際会計基準に基づく純利益が前年同期比51%増の15億1500万元に達した。中国会計基準では14億9400万元。主に石油精製部門の大幅な業績改善が同期の増益に寄与した。精製部門は2008年後半から続いた設備稼働率の低迷や原油コストの高騰を背景に、前年同期に6100万元の営業赤字(国際会計基準)を計上したが、10年上期には9億3100万元の黒字に転換した。生産量の20%の伸びや相対的な原油コストの低下が部門黒字化を支えた。
一方、精製以外の3部門(いずれも川下石油化学部門)は、競争激化を背景に前年同期比52%の営業減益となった。中国国内では昨年後半以降、少なくとも4カ所(年産能力計380万トン)のエチレンクラッカーが量産を開始し、国内全体の年産能力が28%拡大したが、その一方で国内需要が減速。市場競争の激化を受け、多種の石油製品の価格が今年5月から下落に転じた。
2010年6月中間決算を詳細に見ると、4-6月期の純利益(中国会計基準)は前四半期比33%減。BOCIによると、5月以降の石油製品価格の下落が響いたためという。一方、同社経営陣は7-9月期も前四半期比で減益になるとの見通しを明らかにしている。 BOCIは原油相場および石油製品価格に関する想定値の見直しに伴い、このほど同社の2010-12年の予想純利益を上方修正した。ただ、2010年下期に関する修正後予想値は前期比73%の減益。BOCIは目標株価をやや引き上げながらも、短期的な業績悪化見通しを指摘し、同社株価の先行きに弱気の見方を継続している。