10年6月中間決算はコア利益が18%増、予想利益を上方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02883 中海油田服務股フン有限公司(チャイナオイルフィールド)  9.86 HKD
(08/30現在)
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中海油田服務(COSL)が発表した2010年6月中間決算は、純利益が前年同期比111%増の21億7400万元だった。前年同期に計上したノルウェーのアウィルコ買収に伴うのれんの減損8億2000万元を除いたコア利益は18%増。各部門の業績がおおむね好調で、市場予想を上回る水準に達した。

部門別業績は、油ガス田掘削部門の営業利益が前年同期比122%増の18億2700万元。アウィルコののれんの減損およびノルウェーでの訴訟の引当金1億6500万元を前年同期から除いた場合の営業利益は1%増となる。売上高は横ばいだった。09年下期に導入された新規リグの貢献で掘削リグの作業日数が13%増となったものの、市場価格の低迷で平均日割り作業料が13%減となり、作業日数の増加は相殺された。セミサブマーシブル型(半潜水型)リグも、平均日割り作業料は3%上昇したがメンテナンスにより稼働日数が12%減となった。

油ガス田開発技術サービス部門の営業利益は33%増の5億1400万元。売上高は32%増だった。LWD(掘削同時検層)システムなどのハイエンドサービスが実を結び始めた。掘削サービスはアフリカ市場でも開始された。

近海作業船・運輸サービス(MS&T)部門の営業利益は21%増の3億5400万元。船隊の作業日数が1.5%増、原油運搬量が69%増、ケミカル製品運搬量が1.2倍に達し、売上高は35%増となった。

地質探査部門の営業利益は34%減の1億7100万元。同部門のみマイナス成長となった。今年初めの悪天候と需要の低迷が影響。ただ、新たに開始したケーブル回収サービスが貢献し、売上高は9%増だった。

BOCIは下期業績について、メンテナンスコストなど上期よりも通常多くの費用を計上するため、コア利益が前期比で減少する可能性を指摘。ただ、元相場上昇で40億米ドルの借入金からおよそ10億元の為替差益が見込まれており、純利益は当期を上回ると予想している。一方、売上高は、下期に200フィートの掘削リグ2基を含む新設備の導入があるため増加する見通し。

BOCIは同社の上期業績を踏まえ、2010-12年の予想利益を8-21%引き上げた。特に、油ガス田掘削部門および開発技術サービス部門で今後利益率の改善が見込まれる。同社の株価は現在、2010年予想コア利益に対しPER10.1倍と割安な水準にあるため、株価の先行きについて強気の見方に維持している。ただし、目標株価については2011年予想EPSの12.9倍に設定し、引き下げている。