10年6月中間期に75%増益、自律成長と買収効果で収益成長持続へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01193 華潤燃気控股有限公司(チャイナリソーシズ・ガス) 11.00 HKD
(08/24現在)
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華潤燃気の2010年6月中間決算は、純利益が前年同期比75%増の3億500万HKドルに達した。力強い自律成長と買収効果が背景。5000万HKドルの増加となった「その他収入」を除外した純利益は、ほぼBOCIの予想範囲内だった。売上高は前年同期比86%増の27億4700万HKドルで、都市ガス販売事業、ガス管接続事業がそれぞれ同88%、同78%の大幅増収。新たに取得したガス・プロジェクトの一部未稼働や一般管理費の増大などが影響し、ガス事業の粗利益率は前年同期の25.2%から21.6%に低下したが、BOCIは新規事業の進ちょくに伴う今後の粗利益率回復を予想している。

同社は長期成長基盤の構築やリスク軽減を目的とした資源の再配置に目を向けている。都市ガス販売部門の売上構成比は10年上期に81%となり、2009年通期の75%から上昇したが、BOCIはガス管接続料金の値下げリスクや不動産市況悪化によるマイナス影響を軽減できるとの視点から、この点を前向きに評価。さらに個人世帯向けガス販売の比重軽減(商工業顧客の比重拡大)も価格転嫁をたやすくし、利益率上昇に寄与するとの見方を示している。

同社は昨年から事業拡大戦略を継続しており、重慶ガス、鄭州ガスなどの大型買収を実施したほか、天津市燃気集団などとの共同事業に乗り出した。また、親会社の中国華潤総公司(CRH)からのガス・プロジェクト取得をめぐって協議中。10年下期には新たに9地区のガス・プロジェクトを取得する計画であり、BOCIは一段の利益成長力の強化を見込んでいる。

10年上期のガス販売量は前年同期比198%増の23億2500万立方メートルに達した。また、ガス管接続料収入は同77%増の5億3400万HKドルに上り、上期の大幅増収に寄与した。BOCIは同社が必ずしも買収に依存することなく、自律成長を主体としていることを評価。一段の自律成長余地を指摘し、これが同社の競争力強化につながると見ている

親会社のCRHは6月末、中国石油天然気集団公司(CNPC)との間で、ガス、石油分野を幅広くカバーする内容の戦略提携を交わした。BOCIは両社の提携関係が都市ガス供給の確保や、パイプライン、LNG(液化天然ガス)ターミナルなどの施設開発において、華潤燃気にとってもプラスになるとみている。

BOCIはまた、同社の事業範囲の多様化が地域リスクの分散につながるとしている。これにより、ガス販売価格やガス管接続料金の変動による影響を軽減できるとの見方。最新リポートで目標株価を据え置き、同社株価に対して強気の見通しを明らかにしている。