2010年6月中間決算は39%増益、品質改善と価格戦略、販売市場拡大が奏功

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01122 慶鈴汽車(チンリン・モーターズ)  2.11 HKD
(08/20現在)
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慶鈴汽車が発表した2010年6月中間決算は、純利益が前年同期比39%増の1億4300万元に達した。これはBOCIの通年利益予想の49%を占める水準。新製品発売と販売台数の拡大が寄与した。10年上期は、小型トラック(「100P」、「600P」)、中型トラック(「700P」、「FTR」)、ピックアップトラック(「4J」、「4K」)など品質面を改善した中価格帯の製品を積極的に投入する戦略が奏功し、シェアを拡大した。

一方、同社は販売およびマーケティング体制を強化し競争力を高めている。東部沿岸部や省都など主要都市部から、地方都市や郊外にも市場を拡大。この結果10年上期の販売台数は前年同期比61%増、売上高は同58%増に達した。営業利益率は前年同期の4.2%から4.1%に若干低下している。

中型および大型トラックの売上高は前年同期比48%増の6億1400万元。営業利益は同44%増の1800万元だった。BOCIは中型・大型トラックの通年売上高を前年比30%増と予想している。

ピックアップを含む小型トラックの売上高は前年同期比61%増の22億9000万元。中価格帯車種に重点を置いた戦略が奏功した。小型トラック部門の利益貢献度は前年同期に比べ36%増加。ただ、営業利益率は前年同期の4.5%から3.8%に低下している。

BOCIは国内トラック市場の見通しについて、下期もインフラ投資拡大による需要増に支えられ、比較的高い成長を示すと予想。慶鈴汽車については、品質改善、中価格帯戦略、および販売市場の広がりでさらに業界シェア拡大を実現すると指摘し、今年の予想売上高を前年比32%増に設定した。

同社の2010年度配当利回りは最高で5.3%に達するとみられるものの、20日の株価は2010年予想PBR0.6倍と市場の評価は低い。10年6月末時点の1株当たりの現預金は8月19日の終値2.11HKドルを上回る2.23元。BOCIは現在のバリュエーションを割安とみて、株価の先行きを強気の見方に据え置いている。