2010年6月中間決算は純利益が2.1倍、原油相場上昇と産出量増大で市場予想を上回る
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00883 | 中国海洋石油(CNOOC) |
13.00 HKD (08/20現在) |
株価 企業情報 チャート |
CNOOCが発表した2010年6月中間決算は、純利益が前年同期比2.1倍の260億元と、BOCIの予想値を22%上回る水準。大方の予想値の上限を超える数値とみられる。当期は原油相場の上昇と産出量の拡大が予想以上に達した。原油の実勢価格が予想値よりも1バレル当たり約2米ドル高かった上、10年4-6月期の石油・ガス産出量が1-3月期を21%上回った。また、複数の既存プロジェクトで産出量が増加したことで営業費用が前年同期比15%減の6.80米ドル/BOE(原油バレル換算)に低下。さらに、ナイジェリアの事業で一時的な税優遇措置を受け、10年上期の実効税率は予想値(26.9%)を下回る24.6%となった。
石油・ガス産出量は、2009年および10年上期に稼働を開始した新規プロジェクトの貢献により前年同期比41%増の1億4900万BOEに達した。一方、原油の実勢価格は同55%高の1バレル当たり76.59米ドル。原油価格の急騰は、単位当たりの操業コストが同22%増となった影響を相殺する以上の効果をもたらした。
当期に稼働を開始した新規プロジェクトは、「渤中3-2」、「曹妃甸18-1」、「イ洲11-1東」、「恵州25-3」の4件。さらに6件が下期に稼働を開始する予定。一方、油田探索では中国海域の9カ所で埋蔵を確認。うち1件は生産分与契約(PSC)を交わすパートナーによるもの。また、PSCによる2件を含む7件の油田の査定が完了した。
BOCIは同社の下期業績について若干の減速を予想している。同社が通常、下期により多くのコストを計上する点を考慮したほか、ナイジェリアの税優遇措置が継続される保証はないため下期には適用されないと想定した。また、人民元相場はドル安の進行が見込まれ、BOCIは2010年末までの想定為替レートを1ドル6.625元から6.555元に修正。収入の多くを米ドル建てが占める同社は、ドル安による業績への悪影響を避けられないとBOCIはみている。
BOCIは2010年の原油実勢価格について、原油相場の上昇を踏まえ予想値を3%引き上げ1バレル当たり76.57米ドルとした。また石油・ガス産出量については6%上方修正し、3億100万BOEに設定。2011-12年についてもそれぞれ5%引き上げている。CNOOCは2010年の予想産出量を当初の2億7500万-2億9000万BOEに据え置いているが、BOCIはこれを過度に控えめな水準と指摘。数値は同社が5月にアルゼンチンのブリダス・コーポレーションの権益50%を取得する以前に試算されたものであり、ブリダスが5-6月に290万BOEを産出した点が考慮されていないという。BOCIはまた、通年の単位当たり営業コストが前年比10%減になると予想。これらを踏まえ2010-12年予想利益を7-13%上方修正。2010年1株NAV(純資産価値)を12.92HKドルから13.53HKドルに引き上げ、株価の先行きを強気の見方に据え置いている。