航空機事業の上期純利益は前年同期比35.8%増、資本注入による事業拡充を継続
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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02357 | 中国航空科技工業(アビチャイナ) |
3.14 HKD (08/18現在) |
株価 企業情報 チャート |
アビチャイナが発表した10年6月中間決算は、売上高(継続事業)が前年同期比11.3%増の25億500万元と、BOCIの予想にほぼ即した水準だった。継続事業の利益は同35.8%増の1億1100万元。撤退した自動車事業を加えた純利益は3億9700万元に上る。航空機製造部門の売上高は14億4800万元と前年同期を17.7%上回った。一方、航空機部品部門は前年同期比4.3%増の11億6900万元。粗利益率は前年同期比0.4%増の22.1%と順調。利益率の高い事業の買収により製品構成を充実させた。下期も航空機製造部門が好調を維持し、新たに買収した中航航空電子設備(600372)や江西洪都航空工業(600316)の貢献も見込まれることから、当期を上回る業績が期待される。海外に通用する中国の上場航空企業の育成を目指し、今後も親会社の中国航空工業集団公司によるアビチャイナへの資産注入は加速するとみられ、BOCIは同社が向こう5年間、年率15%以上の成長を維持するとみている。
同社は2009年後半に自動車事業を売却。現在は自動車エンジン子会社の東安汽車動力と航空機事業の株式交換を進めているが、手続きは完了しておらず、自動車エンジン事業が6月中間決算の業績に含まれている。減税や補助金の影響によりエンジン需要が高まり、同期の自動車エンジン部門の売上高は44億1200万元、純利益は2億8600万元に上った。これはアビチャイナの予想通年利益の72%に相当する。
同社は2008年にリストラを開始し、自動車部門を売却して航空機専門企業へと転換した。親会社を通じた航空機関連事業の拡充は現在も継続している。同社は3月、新株3億3500万株を発行し11億HKドルを調達。資金調達から20日後には親会社から成都凱天電子股フン有限公司および蘭州飛行控制有限責任公司の2社の航空機関連会社を買収すると発表した。
6月には傘下の中航航空電子設備が新株3億5300万株の発行を決定。アビチャイナのほか、アビチャイナの親会社および子会社がこれを引き受け、対価としてそれぞれ傘下企業の株式を譲渡する。中航航空電子設備に注入される資産の純利益率は12.5%と高く、PERはおよそ10.6倍。アビチャイナの中航航空電子設備に対する出資比率は49.93%から44.25%に低下する。同資産の2009年業績から推測すると、アビチャイナの純利益は毎年5000万元、EPSは0.01元増加する見通し。
10年上期はコスト管理を徹底。販売費用は売上高の0.9%に相当する2300万元と前年同期と同水準を維持した。一般管理費は前年同期比8.1%増の3億5900万元。研究開発費の増加が影響した。財務費用は600万元増の3100万元。金融機関からの金利収入が減少した。
BOCIは同社の予想利益を据え置き、株価の先行きを強気の見方に維持している。