10年6月中間決算は25%増益、スポット販売の拡大で予想を上回る業績
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
---|---|---|---|
01898 | 中国中煤能源(チュウゴクチュウバイノウゲン) |
10.5 HKD (08/16現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国中煤能源が発表した2010年6月中間決算は純利益が前年同期比25%増の54億4600万元(国際会計基準:IFRS)とBOCI予想よりも13%高い水準だった。中国会計基準(CAS)の純利益は同26%増の44億5600万元。BOCIの予想を9%上回っている。予想値との乖離は、石炭を契約価格よりも高いスポット価格で販売した割合が高まったことが要因。スポット取引の割合は全体の30%と予想値の23%を上回った。同期は石炭生産量の増加と実勢価格の上昇により業績を伸ばした。
石炭部門の営業利益は前年同期比47%増の78億4800万元(IFRS)。石炭生産量は前年同期比27%増に達し、自社生産の石炭販売量は同26%増の4620万トンとなった。2009年5月に量産を開始した安太堡地下炭鉱、および昨年末に買収した井東炭鉱が通年で貢献し、生産量拡大に寄与した。
同社の一般炭の国内契約価格は、予想値の前年同期比7%高に反して同2%高にとどまった。しかしながら同社は価格水準の高いスポット取引の割合を前年同期の13%から30%に増やしてこれに対応。石炭の国内平均スポット価格は同27%高の1トン当たり513元と高水準だったことから、自社生産石炭の平均実勢価格は9%高の1トン当たり463元となった。一方で同期には原料コストが上昇し、自前石炭の平均生産コストは同9%高の1トン当たり289元に膨らんでいる。
コークス部門の営業利益は86%減の500万元(IFRS)。コークス価格の高騰と鉄鋼メーカーからの需要停滞により国内コークス生産者の利益率は縮小傾向にある。
石炭採掘機械部門の営業利益は13%増の2億8800万元(IFRS)。需要増により部門売上高は20%増の33億8000万元だった。新規受注高は47億3000万元。
10年下期業績について、石炭の国内スポット価格下落の影響により上期を下回るとBOCIはみている。長雨の影響で夏場の需要ピーク期に価格が上昇せず、主要積み出し港である秦皇島のスポット価格は7月半ばに下降に転じた。さらに同社は通常、上期よりも下期により多くのコストを計上している。
当期の石炭生産量増加を踏まえ、BOCIは通年生産量の予想値を5%引き上げて1億2150万トンとした。石炭の想定実勢価格については、スポット価格がこれまでのところ当初低く見積もった想定額を上回っていることから4%引き上げ、1トン当たり489元としている。スポット販売の割合は23%から30%に引き上げた。資源税の全国的な導入時期は2010年5月から2011年初めに延期されるとみている。ただ、石炭の国内契約販売価格については上期の停滞を踏まえて2%引き下げ、1トン当たり423元とした。これらの要因を踏まえ、2010-12年予想利益を2-4%上方修正。現在の株価を割安とみて、株価の先行きについては強気の見方を維持している。