10年4-6月期に大幅増益、各種サービスの相乗効果を背景に一段の成長期待
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00700 | 騰訊控股(トウジンコウコ) |
148.7 HKD (08/12現在) |
株価 企業情報 チャート |
騰訊控股の2010年4-6月期の純利益は、前年同期比61%増、前四半期比では7%増となる19億1700万元に達し、BOCIの予想を4%上回った。売上高は前年同期比62%増、前期比10%増の46億6900万元。インターネット付加価値サービス(IVAS)部門の売上高が前期比6%増、広告収入が同95%の伸びを見せた。粗利益率は横ばいに推移したが、サッカーのワールドカップ(W杯)や上海万博に絡む投資の拡大で、販売費は前年同期比101%増、前期比24%増と大きく膨らんだ。
4-6月期には、インスタントメッセンジャーサービス「QQ」の最大同時ユーザー参加数(PCU)や、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Qzone」のアクティブユーザー数が小幅の伸びにとどまる一方、QQの会員数は急増し、ゲームを除くIVAS収入の大幅な伸びに寄与した。オンラインゲームのベータ版無料体験や通販サイト「拍拍」「QQショップ」での割引特典など、自社プラットフォームを利用した各種優遇策が会員数の伸びを後押しした。BOCIはQQの会員基盤の拡大が、同社のマルチプラットフォーム戦略の推進力になるとの見方を示している。
中国国内のオンラインゲーム市場は4-6月期に前期比1.8%の縮小に転じたが、騰訊控股のゲーム部門は同6%増となる21億4300万元の売り上げを確保。ただ、PCU、アクティブユーザー数、ARPU(ユーザー1人当たり月額収入)は縮小。新規タイトル「大明龍権」に対するユーザーの反応も思わしくなく、同社はさらにコンテンツの開発を進める方針という。同社ゲーム部門は同業他社と異なり、ARPUを低く抑える戦略が特徴。BOCIは過当競争下での柔軟性を理由に、この戦略を前向きに評価している。
一方、モバイル付加価値サービス部門の4-6月期の売上高は、前年同期比43%増、前期比9%増の6億7400万元。ショートメッセージサービス業務が前年同期比で55%の増収となったことが寄与した。同社は引き続きパソコンから携帯電話へのサービス範囲の拡大を進める計画。同期には携帯ゲーム、携帯検索、携帯広告などが堅調な伸びを示し、中でもツイッターに類似した同社マイクロブログの急成長が目を引いた。
W杯および上海万博効果を背景に、ポータルサイトのオンライン広告収入は4-6月期に前年同期比126%増、前期比124%増。業界平均の前期比34%増を大幅に上回る勢いを示した。BOCIは今後の減速を予想しながらも、大型イベントへの関与がQQの知名度向上に寄与するとの見方だ。ただ、検索エンジン部門の収入は回復の兆しを見せず、国内検索市場における同社シェアは4-6月期に0.6%(前年同期は1.2%)。ただ、BOCIはマルチプラットフォーム戦略を背景とした段階的な巻き返しを予想している。
BOCIは多様なサービスの相乗効果を理由に同社の成長潜在力を高く評価。10-12年の予想EPSを9.4-10.4%上方修正し、同社株価に対する強気の見通しを継続した。