6月中間決算は全部門好調で57%増益の見通し、特に風力発電用ブレードの貢献拡大

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01893 中国中材股フン有限公司(チャイナ・ナショナル・マテリアルズ)  6.00 HKD
(08/04現在)
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中国中材は8月24日に2010年6月中間決算を発表する。BOCIは同期の純利益について前年同期比57%増の4億8500万元と予想。ハイテク素材部門を筆頭に、すべての部門で大幅成長を見込んでいる。

セメント生産設備・エンジニアリングサービス部門を担うA株子会社、中国中材国際工程(600970)は先ごろ、10年6月中間決算の見通しを発表。純利益が前年同期比50%以上増え、4億7500万元を上回るとの予想を明らかにした。売上高が伸びたほか、コスト管理を背景に利益率が改善。同社の貢献により、中国中材のセメント設備・エンジニアリングサービス部門の10年6月中間期営業利益が前年同期比で50%増えるとBOCIは予想している。

セメント部門はすでに2社のA株子会社が6月中間決算を発表。甘粛祁連山水泥集団(600720)は前年同期比54%の増益を達成した一方、寧夏賽馬実業(600449)は17%増益にとどまった。新疆天山水泥(000877)は同期の利益見通しを明らかにしていないが、増益率は50%以下になると予想される。BOCIは2009年末に買収した甘粛祁連山水泥の通期貢献を評価し、セメント部門の営業利益を同51%増と予想している。

ハイテク素材部門では前年同期比1.6倍の大幅増益を予想する。政府の風力発電推進策で風力発電用ブレードの需要が拡大。ブレード生産子会社の中材科技(002080)が発表した6月中間決算は純利益が前年同期の3.4倍に当たる8200万元に達した。売上高は81%増の10億4000万元。BOCIは、同社の10年通年のブレード売上高が前年比3倍の20億元に達すると予想。予備決算の結果は想定の範囲内とした。

グラスファイバー部門の予想営業利益は前年同期比42%増。BOCIが4月8日のレポートで指摘したとおり、金融危機の影響が薄れ、海外からの需要が戻りつつあることからグラスファイバー価格が回復。1トン当たりの価格水準は09年7-9月期の5073元から2010年3月には6010元に上昇した。10年4-6月期は6000元前後で推移した。中国最大のグラスファイバーメーカー、中国玻繊(600176)は、2010年上期の純利益が前年同期比5倍の7900万元との見通しを発表。中国中材のグラスファイバー部門も大幅な増益が期待できる。

中国中材の株価は5月24日付の直近レポート以来およそ50%上昇したが、これは09年の業績低迷に伴う株価不振からの回復分とBOCIはみている。中国中材は中国北西部のセメント生産でシェアトップ。