3Gサービスが好調、ハイエンドユーザー取り込みにより増収

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00762 中国聯通(香港)(チャイナ・ユニコム(ホンコン)) 10.16 HKD
(07/21現在)
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チャイナ・ユニコムは2009年10-12月期に「WCDMA 」規格の第3世代(3G)携帯電話サービスを開始。月間加入純増数を徐々に伸ばし、今年5月と6月には2ヶ月連続で100万人を突破した。BOCIの予想によると、携帯電話サービスの売上高伸び率は、今年1-3月期の前年同期比11.2%増に対し4-6月期は15.9%増。7-9月期および10-12月期には、それぞれ前年同期を24%、27%上回る見込み。さらに、BOCIは、チャイナ・ユニコムの携帯電話サービスの市場シェア(収入ベース)が4-6月期に前年同期比で0.47ポイント、7-9月期に1.32ポイント、10-12月期に2.14ポイント拡大するとの見通しを示している。

携帯電話サービスの増収は契約者数の純増ではなく、個々の契約者の利用料増加が主因となっている。新規契約者ベースの市場データをみると、2009年10-12月期以降、2010年にかけて同社のシェアは13-14%の範囲で推移し、大きな変化はみられない。さらに、データ通信など非通話部門が伸びている点をBOCIは指摘。携帯電話通話量の市場データによると、チャイナ・テレコムがチャイナ・モバイルのシェアを奪っているものの、ユニコムのシェアはほぼ横ばい。非通話部門が通話部門をしのぐ成長を遂げていることがわかる。これはつまり、チャイナ・ユニコムの3Gマーケティング戦略がデータ通信利用の多いハイエンドユーザー向けに集中していた一方、通話主体のユーザー向けサービスの競争力が他社に比べ劣っていたことを示している。ただし、5-6月から同社は利用料の少ないユーザー向けの3Gのパッケージを投入。レノボの「Le-phone」を初めとする人気端末の供給拡大もあり、今後は通話サービスの増収も期待できる。

2010年上期の業績についてBOCIは、利益が前年同期比48%減の33億元にとどまると予想。3Gサービスの拡大によるネットワーク運営費および加入者獲得のための販売マーケティング費用が利益を圧迫し、EBITDA(金利・税・消却前)マージンは3.3ポイント減の38.4%に縮小する見通し。売上高は同4%増と予想。携帯電話部門が同14%増収と貢献するものの、PHSおよび固定通信サービスの停止などの影響で固定回線部門が同5%減と苦戦する見通し。

3Gサービスの貢献により同社は今後も増収を維持するとみて、BOCIは株価の先行きを慎重から強気の見方に引き上げている。