前年同月比売上高が改善傾向に、サッカー・ワールドカップによる受注増も期待

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00551 裕元工業(集団)(ユーユエン・インダストリアル)  26.70 HKD
(01/21現在)
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裕元工業が発表した2009年9月本決算は純利益が前年比1%減の4億6500万米ドル。特別項目を除いたコア利益は同22%増の4億7700万米ドルと、市場コンセンサス上限の水準に達した。実効税率が低かったほか、56%を出資する宝勝国際(03813)の少数株主損失分の利益計上により、予想以上の結果となった。営業利益率は前年比0.3ポイント増の9.1%と安定的な水準を維持した。

宝勝国際を除いた靴製造部門の売上高は前年比2%減。スポーツシューズの売上高が前年比2.6%減、ソールと部材の売上高が同16.5%減となったものの、カジュアルシューズ(9.9%増)、スポーツサンダル(21.7%増)、小売(19.6%増)の好調により影響は一部で相殺された。靴製造部門の営業利益率は前年比2.6ポイント増の11.6%。第1四半期(08年10-12月期)の原油価格下落の影響と、効果的なコスト管理が利益率の改善につながった。

同社は期末配当を1株当たり0.55HKドルに据え置く方針。通期の配当性向は40%と前年並みを維持する。

2010年度第1四半期(09年10-12月期)の業績は予想を上回る水準で推移している。ODM事業の09年10月の売上高は前年同月比16.7%減だったが、09年12月は同5.6%減に下落幅が縮小。09年10-12月期全体では前年同期比10%減と、当初予想の同15%減よりも良好な売上高を達成した。経営陣この状況について、最も困難な時期は過ぎたと指摘。ただ、受注見通しは引き続き不透明で、現在も急ぎの受注が多くを占めているという。

有名ブランドの受注に関しては、より楽観的な状況にある。「ナイキ」の受注残は2009年5月末の前年同月比12%減から8月末には同4%減に、11月末には同1%減に改善した。アディダスについては、今年6月から南アフリカで開催されるサッカーのワールドカップによる恩恵が確実。同社は最低でも10チームのスポンサーとなる見通しで、前回のドイツ大会の6チームを上回っている。また、有名選手がデザインしたサッカーシューズの発売をはじめ、6月まで毎月のように新製品やマーケティングキャンペーンを展開する方針を示している。 同社経営陣は今年1-9月の売上高について横ばいの予想を示しているが、BOCIはワールドカップ需要による追加受注を予測。これを踏まえ、2010年度ODM予想売上高を前年比2.3%減にとどめた。 09年6月にBOCIが投資判断を上方修正して以来、同社の株価は55%上昇している。今後の状況次第では、さらなる上方修正の可能性も指摘。BOCIは同社の2010年度予想EPSを6.7%引き上げ、株価の先行きについては強気の見方を維持している。