2009-10年の利益見通し上方修正、需要回復に伴う製品価格の上昇を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00323 馬鞍山鋼鉄(マーアンシャン・アイアン) 5.6 HKD
(12/31現在)
 株価
 企業情報
 チャート

BOCIは馬鞍山鋼鉄の2009年10-12月期の純利益を約4億5200万元と予想し、これにより、09年12月通期の純利益が4億5900万元に達するとの見通しを示した。この数字はほぼ、BOCIの従来予想の範囲内となる。また、09年通期の製品販売量に関する予測値は1420万トンで、その内訳は条鋼類が50%、鋼板が48%、ホイールが2%。10-12月期についてはメンテナンスによる生産ラインの停止を理由に、前四半期を20万トン下回ると予測。その結果、同期純利益が、前四半期比43.6%減の4億5200万元にとどまると見ている。

2010年通期の製品販売量について、BOCIはほぼ前年並みを予想。販売価格に関してはより強気の見方に転じており、その理由として、◇国内の自動車・家電セクターによる鋼材需要の増大◇中国政府が鉄鋼業界の供給過剰是正策をさらに強化する見通し◇輸出の回復傾向――を挙げた。BOCIは09年通期の輸出売上比率が6%まで低下すると予想しながらも、世界的な市況回復に伴い、金融危機前の17.9%の水準を回復するとの見方。また、この先の世界的な鉄鋼価格の上昇や需要の改善を予想し、10年の鉄鋼価格の予想上昇率を「前年比12%」から「同15%」に上方修正した。また、11年の予想上昇率についても「同5%」から「同10%」に引き上げている。

一方、BOCIは鉄鉱石価格の値上がり率に関する想定値を、前年比10%から20%に上方修正している。馬鞍山鋼鉄の鉄鉱石調達量に占める輸入の割合は70%。今年4月に発効する新たな鉄鉱石契約価格については今も交渉が続いているが、09年度には中国側と鉄鉱石メジャーとの交渉が決裂し、国内鉄鋼メーカーはスポット価格での鉄鉱石輸入を余儀なくされた。こうした事情から、BOCIは国内メーカーの09年の平均輸入価格を1トン当たり62.4米ドルと推定している(輸入鉄鉱石のスポット価格は同77.8米ドル)。BHPビリトンやヴァーレなどの鉄鉱石メジャーは現在、来年度の契約価格について15-25%の値上げを求めているが、中国側は値上げ幅を10%以内に抑制する方向で交渉中。ただ、鉄鋼業界の設備稼働率の改善を理由に、BOCIは鉄鉱石需要の回復を予想し、今回、鉄鉱石価格の値上がり率に関する想定値を20%に引き上げた。

BOCIは製品販売価格、鉄鉱石調達価格に関する想定値の引き上げを反映させた上で、同社の2010年、11年の予想純利益を各17.2%、34.6%上方修正した。BOCIの分析によれば、条鋼類と鋼板の価格がそれぞれ1%上昇するごとに、同社の10年予想純利益は8.4%、9.3%の幅で増える見込み。また、鉄鉱石価格が1%値上がりするたびに、10年の予想純利益が5.2%減少するという。BOCIは今回、利益見通しの上方修正を受けて同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気の見方を継続している。