誰もが最初は株式投資の未経験者。「始めてみたいんだけど、なかなか一歩を踏み出せない」という方が、このコラムをご覧の方の中にもいらっしゃるでしょう。そこで今回は、最初の一歩を踏み出すために最低限何をすべきか、簡単にまとめてみました。

初心者向けの本を買って読む

筆者は、1人でも多くの方が株式投資に関心を持ってもらい、実際に株式投資を始めてもらうために日々活動しています。株式投資の楽しさ、素晴らしさをたくさんの人に知ってもらい、実際に資産を増やすことの喜びを感じてもらいたいからです。

でも、未経験者という状況だと、株式投資に興味はあるのだけれど「そもそも何をしたらよいかさっぱり分からない」という気持ちが本音だと思います。

ですから、まずは初心者向けの本を買って、読んでみることをお勧めします。

拙著の「株を買うなら最低限知っておきたいファンダメンタル投資の教科書」「株を買うなら最低限知っておきたい株価チャートの教科書」(ともにダイヤモンド社)は、初級者の方にはピッタリの内容と自負しておりますが、未経験者の方が読むのには少し難しいかもしれません。

したがって、まずは未経験者向けの株式投資の本を選んでください。拙著であれば「現役公認会計士・足立武志のやさしい株の教室」(日経BP社)や、廃版になってしまいましたが「すぐできる!らくらくネット株入門」(高橋書店)があります。

また、大きな書店に行けば、未経験者向けの株式投資本はいくつもあります。実際に手に取って、これなら自分でも読めるな、というものを選んで買ってみれば良いと思います。

本を読むことで、なんとなく株式投資のやり方がイメージできれば、まずはOKです。

証券会社の口座を開く

未経験者向けの本を買って読むことは、ハードルが低いですから、その気になれば誰でもできると思います。その次にするのは、口座開設です。

株式投資をするには、証券会社の口座を開く必要があります。「そんなの、当たり前だろう」と突っ込みを入れたくなる方も少なくないかもしれません。でも実は、筆者の周りをみていると、そもそも証券会社の口座を開くという段階でつまづいている方がとても多いのです。

おそらく、「やり方がわからない」「どの証券会社の口座にしたらよいかわからない」という思いが先行していて、行動が止まってしまうのでしょう。

でも、証券会社の口座を開かなければ、何も始まりません。ですから、「どの証券会社の口座にするか」はひとまず置いておき、「どこでもよいからまず口座を開く」ことを優先してください。

大手のネット証券では、ホームページを見れば、口座の開き方が詳しく説明されています。それを見ながら進めれば、口座を開くことは全く難しくありません。

どの証券会社が良いか、比較するのは、株式投資を始めた後でゆっくりやればよいのです。

たまに、証券会社でなく銀行の口座を開こうとする方がいらっしゃいますが、銀行で買えるのは「投資信託」です。株式は銀行で買うことはできませんから注意してください。

実際に売買してみる

無事に証券会社の口座を開いたら、実際に売買をしてみましょう。

未経験者向けの株式投資本には、簡単にではありますが、投資する銘柄の選び方や、株価チャートの見方、実際の売買の方法などが網羅的に書かれています。

でも、未経験者にとっては、それを見てなんとなく分かったつもりにはなるものの、いざ売買しようとすると抵抗もあるようです。そんなときは、「少額でまず始めてみる」ことがお勧めです。

今は、数万円で投資できる銘柄がたくさんあります。例えば、4万円で買った銘柄が、もし20%値下がりしても、たった8,000円のマイナスとなるだけです。これなら、失敗覚悟で取りあえずやってみよう!という気がおこるのではないでしょうか?

そして、どの銘柄を買うかも、考え出すときりがありませんから、まずは自分の知っている会社、有名な会社から選べばよいのです。

とにかく、まずは売買をしてみること、それが大事です。銘柄の選び方、取引に関するルールや細かな話は、実際にやってみながら覚えていけば大丈夫です。

株式投資本に書かれている内容も、最初読んだときは良く分からなかった、という箇所でも、実際に売買をしてみると、「こういうことか!」と次々と理解ができていきます。

まとめ・行動しなければ何も始まらない

これは株式投資に限らない話ですが、本を読んだり、セミナーに参加する方の80~90%は、本を読む、もしくはセミナーで話を聞くことで満足してしまい、そこから具体的な行動をしないそうです。確かにその通りだと思います。

実際、筆者が株式投資や資産運用の楽しさ、素晴らしさについて話す機会も多いですが、筆者の話を聞いて実際に行動に移す方は少数派です。

でも、自分で行動しなければ何も始まりません。株式投資で成功した人の話を聞き、「私には無理だよなあ」と思ってしまっては、そこで終わりです。

実際にやってみれば、本当に色々なことが見えてきます。教科書通り行かないこともたくさんあります。そこで自分なりによく考えて、行動を見直して、最終的に自分自身の株式投資のルールを作って実行した人が成功の道を歩むことができます。

筆者は、株式投資で成功することは決して難しくないと思っています。少額から始めれば、失敗しても大したことありません。普段ついつい無駄遣いしてしまうならば、そのお金を株式投資に回して、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか?きっと、今まで見えてこなかった世界が目の前に広がることでしょう。

筆者はこれからも、株式投資をはじめようと考えている方を全力で応援していきます。