信用取引では損切りができなければ致命傷になりかねない

高値で買ってしまっても、取引枠一杯に信用買いをしてしまっても、損切りさえきっちりと行うことができれば、全く問題ありません。それくらい信用取引においては「損切り」は特別に重要です。
もし損切りができず含み損を抱えた場合、現物株であれば塩漬け株の発生だけで済みます。そのまま5年、10年と持ち続けていても誰にも文句を言われることはありません(もちろん筆者としては含み損の拡大を防ぎ、資金効率を高める面で現物株であっても早めの損切りを推奨しますが)。
しかし、信用取引では含み損を抱えると、期日到来や追い証差し入れ義務不履行による強制決済により、強制的に実現損が確定してしまいます。信用取引では含み損を抱えた銘柄を塩漬け株として持ち続けることすら許されないのです。
信用取引では早めの損切りをためらった結果、最終的にはさらに大きな実現損を被ることにもなりかねません。信用取引ではどんなに含み損を抱えていようと、期日がくれば決済しなければなりません。とするなら損失が小さいうちに芽を摘み取っておくことが何よりも大切です。信用取引をするなら損切りは必須です。逆にいえば損切りさえしっかりとできるならば、信用取引で大失敗することは防げますし、その後いくらでもチャンスに参加することができます。

信用取引で失敗して株式市場を去った個人投資家も大勢います。しかし、やり方さえ間違わなければ、極言すれば損切りさえきっちりと行うことができれば信用取引で大失敗することはありません。
本コラムの読者の皆さんには信用取引で失敗してもらいたくありません。ですから、ここに書いたことはぜひとも守っていただき、信用取引を大いに楽しんでください。