東京証券取引所や経済産業省では「親子上場」の弊害が問題視されています。その説明で誤っているのは?

  • 子会社が親会社の利益を優先して、子会社の少数株主の権利を損なう点
  • 親会社が子会社を上場させることで、新規の資金調達などが可能になる点
  • 子会社が外部株主に配当を支払うことで、親会社の株主の利益が流出する点

ヒント

親子上場は親会社が過半数の株式を持つ子会社を上場させること。親会社と子会社双方の利害対立が問題の根底にあります。

解答

2:親会社が子会社を上場させることで、新規の資金調達などが可能になる点

子会社の過半数の株式を握る親会社が、子会社と同時に上場する「親子上場」は、東証のレポートによると2023年11月時点で約310社あり、欧米に比べてかなり多くなっています。代表的な親子上場の例としてはソフトバンクグループ(9984)とソフトバンク(9434)、日本郵政(6178)とゆうちょ銀行(7182)などがあります。②の親会社が上場した子会社の保有株を一部売却することで新たな資金調達ができることは、弊害ではなくメリットです。しかし、①のように親会社に実質支配された子会社が親会社の利益を最優先すると子会社の少数株主の利益を損なうことになります。また③のように、親会社の株主にとっても有望な子会社が上場されることでその利益の一部が子会社の株主に流失してしまうと不利益になるなど弊害も多く、親子上場の解消に向けた動きが広がっています。

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