今日の為替ウォーキング

今日の一言

世の中で重要なことの多くは、 まったく希望がないように思えたときでも試行錯誤を続けた人々によって成し遂げられてきた 

Beat It

 新型コロナウイルス流行の終息後、先進国では3つのインフレの波が発生した。

 第一の波は「需要主導型インフレ」といわれるものだ。ロックダウンで外出や外食が禁止されたことで、家の中で時間を過ごす用に大型液晶テレビなどの家電を買ったり、在宅勤務をするための机や椅子などを新調したりすることによる特需が引き起したインフレである。

 しかし、この需要主導型インフレは短期間で終了した。そもそもテレビ、エアコン、やソファなどの耐久消費財は何年も使うもので、毎年買い替えたりしない。ロックダウンの終了とともに液晶テレビの価格は高値の半額近くまで急落して、過去20年間で最悪のデフレ状況に陥っている。

 第二の波は「供給主導型インフレ」だ。これは、サプライチェーンの混乱や地政学リスクによるエネルギー価格や商品価格の上昇が引き起こしたものである。しかしこのインフレもサプライチェーンの混乱が収まるにつれて、ディスインフレ(物価上昇率が低くなり、インフレの進行が抑えられている状態)へと移行していった。

 そして、現在起きているのが利益主導型(マージン上乗せ型)インフレ」とよばれる、第三の波だ。このインフレは需給の不均衡が理由で起きるものではない。企業が原材料費高騰などを理由に値上げをするときに、こっそりと時には堂々と大幅な利益(マージン)を上乗せすることによって発生するものである。

 企業は様々な理由を掲げて「値上げは苦渋の判断です」と消費者の理解を求めようとストーリーつくりをするが、その多くはフェイクである。原材料が高騰したというが、原油先物価格はウクライナ戦争前の水準まで下落している。人件費は高くなったが、給料(労働コスト)の上昇率は物価上昇率に比べて緩やかなままだ。その差額はどこへいくのだろうか。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル

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コーンチャート分析

出所:楽天証券作成
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