2024年中間期は76%増益、世界航空市場の拡大が追い風

現地コード 銘柄名
02588

中銀航空租賃

(ビーオーシー・アビエーション)

株価 情報種類

69.20HKD
(8/16現在)

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 中国銀行(03988)傘下の航空機リース大手、中銀航空租賃の2024年6月中間決算は予想を上回る内容だった。主にボーイング747-8F型機2機の回収と世界航空市場の回復を背景に、純利益は前年同期比75.9%増の4億6,000万米ドル。売上高に相当する営業収益は同10.7%増の11億7,400万米ドル。ロシア要因による影響(ウクライナ侵攻に伴うロシア企業向けリース機の滞留で減損損失を計上したが、その後の段階的な回収により減損戻し入れなどの処理を実施)を除いた税引き後のコア利益は9%増の2億8,400万米ドルだった。BOCIは中国当局による一段の開放政策の効果もあり、下期も世界の航空旅行市場の復調が続くとの見方。また航空機の価値は現在、正味簿価を14%上回る水準にあると指摘し、同社にとっても保有機材の評価額向上につながる見通しを示した。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 機材のリース利回りは上期に9.8%と、前年同期並み。正味のリース利回りも前年同期と同じ7.0%だった。その結果、減価償却費や金融費用などを差し引いたコアベースのリース収益は2億7,600万米ドルとなり、これもほぼ前年同期並みの水準となっている。

 利息・手数料収入は上期に前年同期比119%増の1億3,230万米ドルで、営業収益全体に占める割合は11.3%。航空機材の正味売却益は301%増の5,590万米ドルだった。

 中核事業の業務指標は全般にまずまずの数字となり、リース契約数は上期に55件(前年同期45件)。新規の引き渡し機材数は18機(同16機)に達した。保有機材の稼働率は6月末時点で99%と、3月末と同水準。平均機齢は4.9年で、平均リース残存期間は7.9年。3月末の段階では4.8年、7.9年だった。また、直近の4-6月期の顧客数は47カ国・地域の航空会社93社。1-3月期の45カ国・地域、90社から増加した。

 国際航空運送協会(IATA)によれば、世界の航空業界は2022年の推定36億米ドルの純損失から脱却し、2023年に274億米ドル、2024年に305億米ドルの純利益を計上した。中国では、政府当局が各国とのビザ相互免除プログラムを拡大していることもあり、世界の航空旅行数は下期も拡大傾向を維持する見通しという。

 BOCIによれば、同社は世界航空業界の安定成長による代表的な恩恵銘柄の一つ。ビジネスモデルは堅実で、2024年の予想配当利回りは約4.2%に上る。2025年には米利下げや世界航空市場の拡大を追い風に、コア利益の伸びが続く見込み。BOCIは2024年予想PBR(株価純資産倍率)1.15倍をベースとする目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 レーティング面の潜在リスク要因としては、米利下げが予想より鈍いペースとなる可能性、世界的な景気減速が航空需要に大きく影響する可能性を挙げている。