2024年中間決算は予想通り、7-9月期は供給過剰で過去最悪の四半期に

現地コード 銘柄名
00968

信義光能控股

(シンイー・ソーラー)

株価 情報種類

3.71HKD
(8/1現在)

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 太陽光発電(PV)用ガラス大手、信義光能の2024年6月中間決算は、純利益が前年同期比41%増の19億6,000万HKドルと、同社の事前見通し通りの水準に達した。PVガラス部門の粗利益率が21.5%を維持したことなどが寄与した。ただ、PVガラス価格の軟化は7月も続いており、需要の先行きは不透明。BOCIは続く7-9月期の利益率が歴史的低水準に沈む可能性を指摘している。また、業況が底に達した時点で同社株の底値買いを狙う投資家の気持ちは理解できると前置きしながらも、太陽光発電の需要減速と同ガラス市場の競争激化により、評価の一段の下振れもあり得るとの見方。2024年予想PER(株価収益率)11倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して中立見通しを据え置いている。

 PVガラス部門の中間期の粗利益率は21.5%と、BOCIの予想を小幅に上回った。生産効率の継続的な改善が背景。一方、太陽光発電所の運営・建設部門では、電力ロスの発生が利益率の足かせとなった。

 一方、7-9月期は過去最悪の四半期となる可能性がある。在庫の増大で平均販売価格が異例のペースで下落し、PVガラス事業の収益性が過去2カ月にわたって大きく悪化したことが理由。在庫は15週連続で増加し、32.5日分という歴史的高水準を記録した。3.2mmガラスの価格は5月以降に10%低下したが、2.0mmは3.2mmを超えるペースで軟化し、この間に22%安。2.0mmの取引価格が初めて3.2mmを下回るという逆転現象が起きた。これは同社の利益率を悪化させる要因。BOCIはガラス大手各社の7-9月期の粗利益率が10%程度に沈む予想。中小メーカーは赤字を余儀なくされるとみている。

 続く10-12月期にはPVガラス業況の回復が期待されるものの、BOCIはかなり慎重。現在の在庫を処理するためには、月ごとに前月比20%の需要増が必要になると指摘し、仮にこれが実現しても、新たな生産能力の稼働という形で供給量の拡大を招くとしている。同社は2024年の新規生産能力を日産6,400トンに抑えたものの、仮に需要が上向けば、下期には業界全体で1万トンの新規設備が動き始める可能性があるという。同社は雲南省曲靖、江西省上饒、モンゴル自治区ダラト旗やインドネシアで長期の生産拡張を計画しているが、BOCIは自社の需要見通しを踏まえ、やや野心的な計画だとしている。

 BOCIは平均販売価格と粗利益率に関する想定値の引き下げを反映させる形で、2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を36-37%減額修正。引き続き2024年予想PER11倍をあてはめ、目標株価を下方修正した。一方、仮に太陽光発電需要がこの先、予想以上にプラス、マイナスいずれかの方向に振れれば、同社のレーティング見直しに動く可能性があるとしている。