「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第40回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
今日のクイズ:円高ドル安の要因になるのはどれ?
7月末にかけて円高ドル安が急進するとともに、日経平均株価(225種)が急落しています。今日は、ドル/円為替レート(対円でのドル相場)を動かす要因についてクイズを出します。
それでは、クイズです。以下【1】~【18】のうち、円高につながる要因を10個、円安につながる要因を8個、それぞれ選んでください。
【1】米国の金融政策を決めるFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを実施
【2】FRBが利下げを実施
【3】日本銀行が利上げを実施
【4】日本銀行が利下げを実施
【5】米国の景気悪化を示す指標発表
【6】米国の景気好調を示す指標発表
【7】外国人投資家による日本株買いが増加
【8】日本人投資家による米国株買いが増加
【9】米国企業が日本に工場を建設
【10】日本企業が米国に工場を建設
【11】日本を訪れる外国人観光客数が増加
【12】日本人の海外旅行が増加
【13】日本から米国への輸出が増加
【14】米国から日本への輸出が増加
【15】政府・日銀が為替介入(ドル売り円買い介入)を実施
【16】政府・日銀が為替介入(ドル買い円売り介入)を実施
【17】米国の大統領や政府要人が「ドル高は問題」と発言
【18】日本の財務大臣が「行き過ぎた円安にあらゆる対抗策を取る」と発言
「円安だと株高、円高だと株安」になりやすい
日経平均は7月11日、4万2,000円を超えるところまで急騰しました。ところが、翌日以降は下落が目立ち、8月2日には3万6,000円を割り込みました。
7月に入ってから最初は円安ドル高が進みました。11日に一時1ドル=161円台まで円安が進み、円安を好感して外国人投資家による日本株買いが増えて、日経平均は4万2,224円まで急騰しました。
ところが、11日以降、急激な円高が進んだために、外国人投資家が日本株を売り、日経平均は急落したと考えられます。
日本株は、以下の通り、「円安だと株高、円高だと株安」になることが多い。
<日経平均とドル/円為替レート推移:2023年1月2日~2024年7月31日>
なぜ、そうなるのでしょうか? 過去30年以上、日本株は外国人投資家の売買で動いています。その外国人が円安になると日本株を買い、円高になると日本株を売る傾向が強いので、日本株は、円安株高・円高株安の傾向が強くなります。
<円安になると外国人が日本株を買い、円高になると外国人が日本株を売る理由>
外国人投資家は、保有しているドルを円に換えて、日本株を買います。従って、円安が進むと日本株を安く買えることになります。円安が進むと、日本企業の業績にプラスな上、彼らから見て日本株を安く買えるようになるので、日本株を買う可能性が高まります。
逆に円高が進むと、日本企業の業績にマイナスな上に、ドルを使って日本株を買うコストが高くなるので、日本株を売る可能性が高まります。
円安だと日本企業の業績が良くなるのに二つの理由があります。
まず、日本企業が海外で稼いだドル建て利益を円に換算した金額が増加する効果があります。次に大きいのは、円安が進む時は、米景気が好調である可能性が高いことです。米景気が好調でドル金利が上昇している時に円安が進むので、日本の企業業績は米景気好調の恩恵を受けて、好調となることが多いといえます。