日本では希少な期待リターン1~2%。「Funds」は資産運用の橋渡し役になる!
――「投資家のニーズはあるけれど、供給が足りていない」部分を埋める金融商品が「Funds」というわけでしょうか?
実際、時折発行される社債は売り出しとともに売り切れることが多く、この利回り水準の金融商品へのニーズの高さが伺えます。
何より投資や資産運用がまだまだ大衆化していない日本においては、「損をしたくない」「リスクを取りたくない」というのが、生活者の感覚。「貯蓄から投資」と言われても、預貯金の次の手段が事実上、投資信託や株式投資というのは、ステップとしては急なんだと思います。その階段をなめらかにできるのが、「Funds」であればいいな、という思いが強くあります。
現預金とリスク商品の架け橋になり、日本人が現預金一辺倒から、資産運用の世界に視野を広げ、納得感のある資産づくりをしていただくための、一助になればと思っています。
――「Funds」に投資するリスクについても教えてください。
2019年1月にサービスを開始して、この3年半で運用が終了したファンドは113案件(2022年10月12日現在)。元本が棄損した例はゼロ。とはいえ、上場企業やその子会社に絞ってお金を貸すとはいうものの、借り手企業が倒産するリスクを完全に消し去ることはできません。
また、数カ月から数年の運用期間中は、投資したお金を換金したくても、換金できないリスクもあります。企業サイドがそのお金を利用した事業などを早期に達成して、資金ニーズがなくなったことで早期償還されるファンドも3年半で四つありました。当然、早期償還でも元本は全額返済されますが、予定していた期間の分配金収入が得られない可能性はあるということです。
――藤田さんがファンズの代表として、この商品を作ろうとした理由は何でしょうか?
もともと、私はウェブマーケティングの領域で起業して事業を売却した連続起業家です。次は成長領域で仕事をしたいという思いもあって、クラウドファンディングの業界に入りました。イベントなどで、投資家さんとお話をさせてもらうと「融資型のクラウドファンディングって、ハイリスク・ハイリターンだよね」とよく言われました。
「利回りはそんなに高くなくていいけど、もっと安心感のある企業の案件はないのか」と指摘されたことが、「Funds」というサービスを始めるきっかけでした。「ハイリスク・ハイリターンだと資産運用のメインストリームにはならない。逆に利回りは相対的に低いものの、安心感のある企業への貸し出しならニーズがあるのではないか」と。
日本にも、しっかりしたフィクスドインカムの金融商品を作り、貯蓄から資産形成の道筋に貢献するというのが私たち「Funds」のミッションだと思っています。
「Funds」に投資したお金は、日本の企業が新しいビジネスを始めたり、海外に進出したり、その会社の成長のために使われます。日本の現預金の中に眠っているお金を、これから成長していく日本企業に橋渡しすることで日本の未来を明るくしたいというのも、私たちの願いです。
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藤田雄一郎さん
ファンズ株式会社
代表取締役
早稲田大学商学部卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。2007年にマーケティング支援事業を行う企業を創業し、2012年上場企業に売却。2013年に大手ソーシャルレンディングサービスの立ち上げに経営メンバーとして参画。2016年11月に株式会社クラウドポート(現ファンズ株式会社)を創業。2019年1月から貸付投資サービス「Funds」を立ち上げる。「Funds」の累計募集金額は2022年10月現在、250億円まで急拡大中。およそ1.5兆円といわれる個人向け社債の市場規模以上のマーケット開拓を狙う。