入学者数の増加と授業料値上げで収益成長持続へ、配当見通しも良好
現地コード | 銘柄名 |
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00839 |
中国教育集団 (チャイナ・エデュケーション・グループ) |
株価 | 情報種類 |
5.18HKD |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは高等教育の運営大手、中国教育集団の向こう数年間の業績を楽観視している。年間2万人規模に上る入学者数の増加と授業料の引き上げが成長をけん引するとの見方。また、教育セクターは堅実な現金保有や高配当性向、高成長見通しという点で際立っていると評価し、個別では中国教育集団を民営大学セクターのトップピック銘柄とした。2024年度(決算月は8月)の予想純利益を11.5%引き上げ、20億元に設定。2025年度、2026年度に関しても、予想純利益を8.7%、7.3%増額修正した。引き続き2024年予想PER(株価収益率)8倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
2024年2月中間決算では、入学者数の2万人以上の増加が売り上げ伸び率の約5割に寄与。平均授業料の前年同期比9%の上昇が、残る5割に貢献した。同社は広東省と山東省における学生の受け入れ能力を5万2,000人規模で拡大する方針。そのために、向こう3年間で50億元の設備投資を行う計画で、うち約45億元を2024年度中に計上する見通しとなっている。これにより、入学者数は向こう4年間にわたり、年間2万人規模で増加し、同社の増収を支えるとみられる。
粗利益率とコスト削減幅が予想を上回ったことで、BOCIは2024-26年度の予想純利益を11.5%、8.7%、7.3%増額修正した。授業料の値上げによる粗利益率の上振れ観測を反映させた。BOCIは現在の厳しい経済状況の下、授業料値上げが実現する可能性は低いとみていたが、中国政府はインフレ誘導策として、水道や電気など公共料金の値上げを支持しており、授業料の値上げの可能性も高まったとの見方だ。
同業の教育銘柄は配当性向の見直しを余儀なくされているが、同社の手元現金は40億5,000万元と潤沢であり、45%の配当性向を維持する見込み。多額の設備投資を現金で決済しているにもかかわらず、同社の配当性向は業界トップクラス。2025年度の予想配当利回りは8.9%と、教育セクターで最も高い水準にある。
BOCIは授業料の予想以上の値上げ観測を理由に、利益率に関する予想を上方修正。2024-26年度の予想純利益を前年比45.2%増、8.8%増、9.2%増に設定した。2024年度の予想PER8倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いた。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、マクロ経済情勢が厳しい中、多額の設備投資を行うことが長期的に適切かという問題と、2026年度以降の減価償却費の増大見通しを挙げている。