2024年1-3月期決算が予想下振れ、資産の健全性や成長潜在力はトップクラス

現地コード 銘柄名
01658

中国郵政儲蓄銀行

(ポスタル・セービングス・バンク・オブ・チャイナ)

株価 情報種類

4.09HKD
(5/2現在)

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 中国版のゆうちょ銀行、中国郵政儲蓄銀行の2024年1-3月期の純利益は前年同期比1.3%減。2023年に前年比1.2%の増益を確保した後、小幅減に転じ、BOCIの予想を下回った。主に経常収益の下振れや純金利マージン(NIM)の縮小、営業費用の増大が響いた格好。売上高に当たる経常収益は1-3月期に前年同期比1.4%増と、2023年の前年比2.2%増から減速したにもかかわらず、営業費用は7.1%増大した。ただ、資産の質という点では、同行は引き続き際立った存在。不良債権比率は同業銘柄で最も低い水準を維持し、不良債権引当カバー率(貸倒引当金÷不良債権残高)はほぼ最高水準に達したとみられる。また、3月末の預貸率は56.7%。これも本土銀行セクターで最も低い水準となる可能性が高いという。このほか、3月末の貸出残高、預金残高は2023年末比でそれぞれ4.6%増、4.8%増。BOCIは株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2024年1-3月期決算においては、同行の資産の健全性が際立った。3月末の不良債権比率は0.84%。2023年末の0.83%、2022年末の0.84%とほぼ同水準で推移した。これは本土銀行銘柄の中では最も低い水準。BOCIは2024年通期の不良債権比率について、0.84%を見込む。また、不良債権引当カバー率は3月末に326.9%。2023年末時点の347.6%から低下したものの、引き続き相対的に高水準で推移した。

 NIMの低下を受け、1-3月期の資金利益(純金利収入)は前年同期比3.1%の伸び。NIMは3月末時点で1.92%と、2023年末から0.09ポイント低下した。

 役務取引等利益(純手数料収入)は1-3月期に前年同期比18.2%減。2023年の前年比0.6%減から下げ幅が加速した。2023年末時点で、リテール部門の総資産運用残高(AUM)は16兆元と、前年比で5.5%増加している。

 BOCIは同行H株が現在、2024年予想PBR(株価純資産倍率)0.44倍という低水準で取引されていると指摘し、卓越した資産の質や高収益成長に向けたポテンシャルを前向きに評価。2024年予想PBR0.6倍あてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。