経営情報のアップデートでEV事業に楽観見通し、初年度に粗利益率10%達成も
現地コード | 銘柄名 |
---|---|
01810 |
小米集団 (シャオミ) |
株価 | 情報種類 |
16.66HKD |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは、小米集団が4月23-24日に開催した「インベスター・デー」において、電気自動車(EV)事業に関する同社の強気のガイダンスと壮大な青写真を共有した。雷軍会長によると、EV第1号「SU7」の受注は4月20日までに7万台(3月28日に予約開始)。出足の好調を受け、2024年通期の販売目標を10万台へ、当初の7万2,000台から引き上げたという。BOCIは「SU7」の標準版およびMax版の前倒しの納車に見られる生産能力の増強と、「6月に月間1万台強」という納車目標に言及。マーケットの供給不安に対する懸念を和らげる効果が期待できるとした。また、今後3年間の粗利益率に関する予想を上方修正。従来ビジネスとEVビジネスを組み合わせたSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づいて目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
「SU7」の確定済みの受注台数は4月20日までに7万台。上位版の「Max」が全体の43.16%を占めるなど好調で、購入者の約40-50%が女性。同社によれば、EVの2024年の粗利益率はスケールメリットを強みに、5-10%に達する見通しという。
「SU7」標準版とMax版の納車は当初予定の4月末より早く、同月18日に始まった。6月には月間1万台超の納車を目指す方針。多数のサプライヤーと連携し、EV工場第2期を含めた生産増強を急ピッチで進めている。EV工場を見学したBOCIは高度な自動化や組織化などの点で、新規参入とは思えないレベルだったと報告している。
同社はEVの販売店舗数を2024年末までに46都市219店舗に拡大する計画。サービスセンターも82都市139店舗に広げる。また、これとは別に、2024-26年には計1万の新規小売店舗を開業する計画。ショッピングモールからの引き合いも多く、30%の賃料値引きを提示されたケースもあるという。
BOCIは2024-26年のEV販売台数見通しを10万台、19万台、27万台に上方修正。EV部門の粗利益率に関する予想を8.8%、13.3%、15.3%(修正前はマイナス4%、7%、13%)に引き上げ、2024年にはガイダンスの5-10%をさらに上振れる可能性もあるとした。マーケットはこれまで、他の新興EVメーカーと同様、同社の初年度の粗利益率もマイナス(原価割れ)になると見ていた可能性が高く、立ち上げ早々のプラス化見通しはポジティブ。また、2025年には、既存の「SU7」とプラットフォームを共有するSUV車(純EV)の投入が、新たな台風の目となる可能性を指摘している。
販売台数の上振れと上位のMax版の人気を受け、BOCIは向こう3年間の予想売上高を各3%ずつ増額修正。調整後EPS(1株当たり利益)に関する予想も4%、14%、10%増額し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、ファーウェイを含む国内勢との競争激化、地政学リスク、インド政府との課税絡みの対立、EV生産増強の予想外の遅れなどの可能性を挙げている。