2023年決算は調整後で17%増益、2024年は出足好調で収益上振れへ

現地コード 銘柄名
06078

海吉亜医療

(ハイジア・ヘルスケア)

株価 情報種類

30.50HKD
(3/28現在)

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 中国の病院経営会社、海吉亜医療の2023年12月本決算は、売上高が前年比27.6%増の40億8,000万元に上り、BOCIの予想とほぼ一致した。がんなどの腫瘍治療業務が23.6%増の17億8,000万元で、売上全体に占める割合は43.6%(前年は45%)。非IFRS(国際財務報告基準)ベースの調整後利益は17.5%増の7億1,340万元だった。病床数は2023年末時点で1万床弱だが、2025年には1万4,000床を目指す方針。続く2024年1-2月にはコロナ禍の影響が消え、運営状況が正常化したことで、売上高が前年同期比40%超の伸びを達成しており、経営陣は通年の収益見通しの上振れを確信しているという。BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2023年通期の売上高は前年比27.6%増(新型コロナのPCR検査を除外すると34.0%増)。入院患者、外来患者向け医療サービスが各31.6%増、23.1%増だった。純利益は42.1%増の6億8,490万元(PCR検査を除外すると63.6%増)。非IFRSの調整後利益は17.5%増(PCR検査除外で31.1%増)だった。

 2024年1-2月には前年同期比40%超の増収を達成したが、これはコロナ禍後の病院運営の正常化に加え、重慶海吉亜医院および単県(山東省)海吉亜医院の第2期プロジェクトの立ち上げや、長安医院、宜興海吉亜医院、曲阜城東医院の連結化が寄与したため。経営陣は2024年の売上高について、前年比25%増とのガイダンスを示していたが、実際にはこれを上回るとの強い自信を示している。

 新たに連結化した宜興海吉亜医院と長安医院の2023年の売上高は、前年比30.8%増、28.9%増、2024年に入ってからも好調で、3月には1日当たり入院患者数がそれぞれ平均400人超、1,200人に達した(連結化時点では200人超、800-900人)。また、クラス3カテゴリーの総合病院へのアップグレードを果たした重慶海吉亜医院では、外来、入院患者数がそれぞれ前年比70%、20%超の伸びを示した。経営陣によれば、重慶海吉亜医院の利益率は2024年下期に、第2期部分の開業前の約35%を回復する見通しという。

 傘下の病院では、3月に徳州海吉亜医院(1,000床)がクラス3総合病院への昇格をめぐる立ち入り検査に合格した。無錫海吉亜医院(800-1,000床)は2025年初めにも運営を開始する予定。また、同年末までに常熟海吉亜医院(800-1,200床)が完工する予定。

 BOCIは2024年1-2月の力強い増収ペースを考慮し、2024年、2025年通期の予想売上高を各1%小幅に上方修正。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく12カ月目標株価を据え置いた。WACC(加重平均資本コスト)と永久成長率を10.3%、3.0%と想定している。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、医療サービスに対する国内の規制強化の可能性や、医療費算出方式の変更に伴いマイナス影響が生じる可能性、自前の病院新設・運営において効率化に手間取る可能性を挙げている。