中国の国防費増額がプラス、防衛事業の成長が2024年業績をけん引へ
現地コード | 銘柄名 |
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02357 |
中国航空科技工業 (アビチャイナ) |
株価 | 情報種類 |
3.16HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国政府は2024年の国防予算を前年同期比7.2%増の1兆6,700億元とする方針を発表した。この増加率は前年と同じであり、GDP(国内総生産)成長率を上回るペース。BOCIは予想以上の伸びであり、2024年のインフラ投資の予想伸び率を超えるとした。国防費増額の恩恵銘柄として、中国航空工業集団(AVIC)傘下の航空機メーカー、アビチャイナを挙げ、同社の利益成長率が同業銘柄を上回る見通しを示している。2023年12月通期の売上高と純利益について、保守的な予想(それぞれ前年比18.7%増、21.4%増)を維持した上で、2024年の同社の収益成長率がインフラ建設請負(ゼネコン)銘柄を下回ることはないとの見方を継続。株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。
2024年の国防予算の伸びは前年と同様、前年比7.2%だが、BOCIは現在の経済情勢を考慮すれば、サプライズに当たると指摘している。1兆6,700億元という予算額は同年のインフラ投資額(推定24億6,100万元)に比べれば小さいものの、軍事・防衛セクターに恩恵が及ぶとみられ、中でも、香港上場の唯一の防衛銘柄であるアビチャイナに有利。国防予算の伸びを背景に、アビチャイナの2024年の業績がゼネコン大手に匹敵するとみる。
同社の売上高の約65%は防衛関連で、残る35%はヘリコプターやエンジニアリングサービス(空港の設計およびエンジニアリング)。BOCIによると、2024年には防衛部門の前年比11%の増収が見込まれる半面、非防衛部門は引き続き横ばいで推移する見込み。非防衛ビジネスは主に、地方政府支出に依存するが、地方財政は依然厳しい。ただ、防衛部門の成長が、非防衛部門の停滞を十分カバーする見通しという。
アビチャイナはヘリコプター部門の持ち株構成を再編しており、この先、本土A株市場での資金調達に動く見込み。本土A株市場では、複数の子会社の株価がアビチャイナに比べて高水準で取引されており、プレミアム価格での資金調達が実現すれば、香港上場株の株主利益にもつながる。
BOCIは同社の目標株価を維持した上で、目標水準までの大幅な上値余地を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。国防テーマ株の好パフォーマンスが期待できるとしている。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、グループ内資産の買収の可能性を挙げ、その取得対象がグループの中核的な防衛資産とはならない可能性もあるとしている。