2023年10-12月の業務統計は予想上振れ、2024年は中国経済の鈍化が重荷に
現地コード | 銘柄名 |
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01179 |
華住集団 (フアジュー・グループ) |
株価 | 情報種類 |
24.70HKD |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは中国のホテルチェーン大手、華住集団の2023年10-12月期の業務統計を前向きに受け止めている。中国でのホテル事業を指す「レガシー華住」セグメントのRevPAR(1日当たりの客室売上高)は前年同期比54%増の242元。12月の回復で経営陣のガイダンスから小幅に上振れ、コロナ禍前の2019年同期の191元を22%上回った。中国では個人消費が低迷しているが、BOCIは旅行・観光セクターを相対的に楽観視し、同社はブランド力と加盟店向けの高リターンが強みであるとの見方。2024年、2025年も2桁増収とEBITDA(利払い、税引き、償却前利益)の2桁増益を確保する見通しを示した。EV/EBITDA倍率(企業価値がEBITDAの何倍に当たるかを表す指標)、PER(株価収益率)の両面から、現在株価に割高感はないとし、株価の先行きに強気見通しを継続した。
2023年10-12月期の業務統計によれば、「レガシー華住」部門のRevPARは前年同期比54%増の242元と、同社のガイダンスを15-20%上回る数字。宿泊料金の上昇に伴い、12月23日のRevPARが単日最高を記録した。ただ、客室稼働率は19年同期比で低下。マクロ経済の鈍化と出張需要の軟調による影響を示唆した。
BOCIは業務統計に示されたRevPARを基に、3月に発表される予定の2023年10-12月期決算が経営陣のガイダンス(売上高は前年同期比41-45%増)を若干上回るとみる。ただ、中国のマクロ経済環境の不透明感から、2024年に関しては同社も慎重見通しを示すと予想。コロナ禍明けのペントアップ需要の消失で、通期のRevPARがほぼ前年並みにとどまる見通しを示した。新規ホテルの開業効果と既存ホテルのアップグレードにより、EBITDAに関しては2桁増が期待できるとしたが、1-3月期に関しては、前年同期に一過性の売却益約5億元(2023年通期純利益の13%相当)を計上した経緯があり、純利益がほぼ前年並みにとどまるとみている。
中国で展開するホテルは10-12月期に235軒の純増となり、年末の総数は前年比10%増の9,394軒に達した。7-9月期の段階で、同社傘下に入るホテルの候補数は2,935軒に上っており、BOCIは少なくとも向こう2-3年の成長を支えるとの見方だ。また、同社チェーンはフランチャイジーにとって適正リターンを得られる魅力的な選択肢だと指摘。ホテル市場の需給が引き締まる中、2024年も候補数が高水準を維持し、同社のホテルネットワークの拡大と長期の利益成長を支えるとの見通しを示している。
BOCIは2023年10-12月期の業務統計を受け、2023-25年の予想EBITDAを5%、5%、2%増額修正しながらも、2024年予想EV/EBITDA倍率14倍(18倍から下方修正)をベースに目標株価を引き下げた。2023-25年に年率平均16%のEBITDA伸び率を見込み、旅行市況を相対的に楽観しながらも、中国経済と消費者心理の低迷が株価の重しとなる可能性を指摘している。