2023年10-12月期に3%増収見通し、2024年には営業損益が分岐点到達へ

現地コード 銘柄名
09626

ビ哩ビ哩

(ビリビリ)

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 中国の動画プラットフォーム、ビリビリの2023年10-12月期決算(2月末に発表予定)について、BOCIは前年同期比3%の増収を予想している。広告とストリーミング業務の堅調がモバイルゲームの低迷をカバーするとの見方。粗利益率は27.4%と、前四半期比で上向き、調整後営業利益率は▲9%(7-9月期は▲13%)と、損失率が縮小する見通しを示した。また、調整後営業利益は2024年7-9月期に損益分岐点に達すると予想。通期売上高の前年比15%増への加速やコストの最適化が寄与し、「2024年に非GAAPの営業損益ベースで損益分岐点到達」という同社目標は達成可能とみる。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して中立見通しを継続している。

 中国マクロ経済の不透明感と厳しい規制環境が続いているにもかかわらず、同社のオンライン広告業務(特に成果報酬型広告)とストリーミング業務は内生的な強みを生かし、継続的にシェアを伸ばす見込み。BOCIは拡張・統合シナリオに基づく広告在庫の増加や、ECプラットフォームとの連携強化、動画・ライブコマースの浸透、広告インフラの改善とアルゴリズムの最適化といった要因が、広告部門のマネタイズへの潜在力を開放するとみる。また、ストリーミング業務では、中核コンテンツの統合やツールの最適化、トラフィックメカニズムの再配置、マネタイズチャネルの拡充などが支援材料になるとの見方。2023-25年のオンライン広告、ストリーミングの予想売上高をほぼ据え置いた。

 一方、ゲームに関しては、中国当局が12月に発表したゲーム規制強化策(草案)による影響は限定的としながらも、2024-25年の売り上げ見通しを9%減額修正した。現在のマクロ経済環境と競争環境を理由に、新作のリリース日程の見直しやスタジオの最適化に伴う新作候補情報のアップデート、主要提携先とのチャネルマネジメントへの取り組みによる影響を反映させたため。2023-25年の利益率に関する予想を据え置き、2024年以降は非GAAPベースの営業損益が分岐点に到達する見通しを示した。

 10-12月期決算に関するBOCIの予想は、売上高が前年同期比3%増の63億元で、モバイルゲーム収入は9%減の10億元。オンライン広告収入は27%増の19億元。VAS(付加価値サービス)収入はストリーミングの好調を背景に18%増の28億元。DAU(1日当たりアクティブユーザー数)に関しては9%増の1億100万人を見込む。

 BOCIはPSR(株価売上高倍率)に基づき、同社の香港上場株とADR(米預託証券)の目標株価を引き下げ、株価の先行きに中立見通しを継続した。レーティングの潜在的な引き上げ要因としては、マクロ経済の回復やゲームビジネスの好転などを指摘。逆にレーティング引き下げにつながるリスク要因としては、マクロ経済の低調持続やマネタイズの非効率性のほか、クリエイターやユーザーのエンゲージメント低下、コンテンツの供給と質の低下、ゲームその他ビジネスに対する規制強化などの可能性を挙げている。