1兆元の国債増発で2023年10-12月期の新規受注が大幅回復、通年では2%の伸び

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類

3.16HKD
(1/18現在)

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 中国2大ゼネコンのうち1社、中国中鉄の新規受注額は2023年7-9月期に大きく落ち込んだ後、10-12月期には前年同期比23.7%増の1兆3,000億元と、力強い回復を果たした。これは年間受注額の42%を占める規模。過去最悪となる7-9月期の同31.5%減から、劇的に回復した。中国政府の1兆元の特別国債増発を受けた地方財政の改善が寄与した形。BOCIは景気底上げに向けたインフラ投資支援策がさらに続くと期待し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 10-12月期の新規受注が前年同期比23.7%増加したことで、2023年の年間受注額は前年比2.2%のプラス成長を確保した。ただ、7-9月期の不調が響き、予想から小幅に下振れている。

 セグメント別に10-12月期の新規受注を見ると、建設事業が前年同期比19.4%増加し、全体の70%を占めた。新興ビジネス部門の新規受注は187%増加し、全体に占める割合は16.3%。資源利用事業は201%増で、全体の1.3%。インフラ設計事業は59%増で、全体の0.5%だった。その他事業の新規受注はいずれも減少している。

 新興ビジネス部門は主に、水事業や環境保護事業で構成され、足元の受注は交通・輸送インフラ・プロジェクトより好調。資源利用も同社にとっては新規部門であり、主に採鉱事業を指す。過去の実績値の低さもあり、資源利用事業は向こう数年にわたり、高い成長率を維持する可能性が高い。

 BOCIは中国当局によるインフラ投資支援策が続くと予想。新規受注が増加し、現金回収が保証されている限り、インフラ建設セクターに対する強気見通しを維持するとし、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 一方、BOCIはレーティング面の潜在リスク要因として、政策動向を挙げている。地方政府のインフラ投資を後押しするための有効な施策が必要との見方。1兆元の国債増発による効果は短期的であるとし、長期的に地方の流動性改善につながる解決策が求められるとしている。