スマホ需要の回復でファンダメンタルズ改善、XR用部品が2024年の成長エンジンに

現地コード 銘柄名
02382

舜宇光学科技集団

(サニー・オプティカル・テクノロジー)

株価 情報種類

61.35HKD
(1/10現在)

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 BOCIはハイエンドのアンドロイド端末の需要回復見通しを背景に、中国の光学部品大手、舜宇光学科技の2023年の予想売上高と純利益を6%、2%増額修正した。米メタ・プラットフォームズのVRヘッドセット「Quest 3」の需要低迷を受け、XR(クロスリアリティ)デバイス向け部品に関しては、2023年の収益が予想を下回る可能性が高いとの見方。2024年に関しては、ハイエンドのスマートフォン需要の回復が潜在的な株価の支援材料となる見通しを示した。さらに、1-2月に予定されるアップル社のXRヘッドセット「Vision Pro」の発売や、下期に予想される代替品の登場がXRブームの再燃につながる可能性を指摘。舜宇光学科技の目標株価を引き下げつつ、株価の先行きに強気見通しを継続した。車載用光学部品と、長期成長期待が大きいXR用部品を有望視している。

 2023年下期にはアップル、ファーウェイ、小米集団(シャオミ、01810)を含むハイエンドスマホの出荷が好調に推移し、年末には一部の駆け込み受注を受けて同社製品の平均販売価格が上昇。BOCIはこの点に注目し、下期の予想売上高と純利益を11%、3%増額修正した。ただ、季節要因から、車載レンズセット(VLS)の出荷は予想を小幅に下回るとの見方。XR機器向け部品に関しても、「Quest 3」の低迷が響く見通しを示した。

 製品別に業務統計を見ると、携帯端末用レンズセット(HLS)の出荷個数は12月に前月比9%減、極めて低水準にあった前年同月実績比では48%増。2023年通年では前年比2%減と、経営陣が示したガイダンスの10%減を上回った。BOCIは「iPhone15」の出足好調と「ファーウェイMate 60 Pro」「シャオミ 14」の人気が追い風になったとみる。

 一方、携帯端末用カメラモジュール(HCM)の出荷数は12月に前月比9%減、前年同月比28%増。通年では10%増となり、「前年比でプラス成長」というガイダンスを上回った。2024年にはハイエンドのアンドロイド機の需要増を受けた平均販売価格の上昇で、HCMの貢献がさらに鮮明となるとみている。

 車載レンズ(VLS)の出荷は12月に前月比31%減、前年同月比4%減。通年では15%増と、ガイダンス通りの結果だった。新エネルギー車(NEV)販売が上向いた7-9月に伸びた後、10-12月には減速。海外の主要取引先が部品在庫の削減に動いたことが響いた。

 このほか、XR向け部品に関しては、「Quest3」の需要の低調から、ガイダンス通りの前年比20%増を達成するのは難しいとの見方。ただ、BOCIはXR分野に対して楽観的。2024年には「Vision Pro」やその他代替品の登場が主要な支援材料になるとみる。

 BOCIはスマホ出荷の回復を理由に、2023年の予想EPS(1株当たり利益)を2%上方修正する半面、補助金削減を受けた世界の新車販売の減速見通しを反映させる形で、2024年、2025年の予想EPSを4%、2%減額修正した。引き続き2024年予想PER(株価収益率)30倍をあてはめ、目標株価を引き上げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。