※この記事は2021年12月3日に掲載されたものです。

Q3 将来に向けてお金が足りなくならないか不安な場合は?

A3 支出がかさむ時期、何歳で収入はいくらか、表とグラフで確認しよう

 ライフイベント表が完成したら、次は家計の収支推移表(キャッシュフロー表)です。

 一言で言えば、年単位の家計の収支状況(収入と支出)が、今後のウン十年にわたりどうなりそうかを確認するための表です。

家計の収支推移表(もしくはキャッシュフロー表)

 家計管理のところで、すでに現在の家計の収支状況は確認されていると思いますので、その数字をもとに今後の収入、支出を記入していきます。

 収入は、今後の収入アップなどが見込めそうであれば、それを記入すればよいですし、よくわからない場合は、現状と変わらず、ということでよいと思います。

 一方、支出の方は、住宅ローンの残り年数、生命保険料の残り支払期間、教育費の変動、などいろいろと変化する要因がありますので、ライフイベント表に従って、想定される支出を記入していきます。

 記入すると、このようになり、毎年の収支状況が明確になります。

 2018年を例に挙げますと、ご主人の収入が420万円、奥様の収入が100万円ということで、合計520万円の収入になっています。

 一方、支出は、基本生活費144万円、特別生活費60万円、住居費108万円、生命保険料24万円、ご長女様の教育費23万円ということで、合計359万円となっています。

 その結果、2018年は、161万円の黒字となっています。

 長期的に見てみると、収入は変わらずとしていますが、支出の方はお子様が成長するにつれて教育費が増えていきます。

 長女が中学生になると年間の教育費が130万円としています(おそらく私立です)ので、支出合計が年間で497万円となり、家計の黒字額は2018年の161万円から、2026年には23万円まで低下しています。

 グラフにしてみると、以下のようになります。緑の折れ線が収入(左軸)、黄色の折れ線が支出(左軸)、そして、グレーの棒グラフが年間収支(右軸)となっています。

 このように「家計の収支推移表(キャッシュフロー表)」を作成し、長期的に収入や支出がどのように変化していくか確認することで、家計を長期的に捉えることができるので、10年後、20年後、老後といった先のことまで含めて、具体的に考えられるようになります。

 将来のお金についての漠然とした不安を取り除くには、まず見える化することです。

 見える化できれば、具体的にどのように対応していけばよいのか具体的なアクションにつながっていきます。

 ぜひ一度試してみていただければと思います。

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ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。YouTube「資産形成ハンドブック」も人気上昇中。

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