2023年7-9月期は好調、モバイルゲーム収入が加速し利益率も大幅上振れ

現地コード 銘柄名
09999

網易

(ネットイース)

株価 情報種類

180.00HKD
(11/17現在)

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 オンラインゲーム大手、ネットイースの2023年7-9月期の売上高は前年同期比12%増の273億元と、市場コンセンサス予想とBOCIの予想通りの水準だった。モバイルゲーム収入が同33%増の158億元に達したことで、主力のオンラインゲーム全体の売上高は17%増の204億元。粗利益率は62.2%とさらに上向き、実質ベース(非GAAP)の純利益率は31.7%と、市場予想を大きく上回った。BOCIは向こう数四半期内に、多様なジャンルや端末をカバーする有力ゲームを相次ぎリリースするとみて、利益の持続的な改善を予想。SOTP(サムオブザパーツ)に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは様々なジャンルや端末上でのゲームの開発、配信、運営、投資において、専門知識を産業化の方向に発展させてきたとして、同社を高く評価。統合化された多様なゲームモードやフェアプレーの仕組み、細分化されたゲーム操作、高度なツールキット、多種のマネタイズチャネル、効率的な運営といった同社の強みが、利用者基盤の拡大やブランド価値の向上、さらにはマネタイズ力の強化と堅実な利益の確保につながっているとした。同社は向こう1-3四半期以内に、「Where Winds Meet」、「Mission Zero」、「Condor Heroes」、「NARAKAモバイル版」(国内の配信許可待ち)など、複数の有力タイトルをリリースする可能性が高く、海外市場においては国内のヒット作を継続的に投入している。BOCIは2023-25年の予想売上高を据え置きながらも、刺激材料の存在や業務効率化に伴うゲーム、「有道」(米上場会社が手掛けるオンライン教育事業)、音楽配信サービスの粗利益率の改善を見込み、予想純利益を増額修正した。

 7-9月期決算は、売上高が前年同期比12%増の273億元に達し、うちオンラインゲーム収入は17%増の204億元。中でもモバイルゲーム(33%増の158億元)がゲーム収入全体に占める割合は77.6%と、過去最高に達した。ゲーム以外の売上高は3%減の69億元。同社全体の粗利益率は62.2%と、前年同期比で5.9ポイント、前期比では2.3ポイント改善したが、これは収入構成の変化や低利益率事業の整理、効率的なチャネル管理などが背景。営業利益率は一過性の管理費用が発生する中で27.7%を確保。非GAAPの純利益率は31.7%と市場予想の26.0%を大きく上回った。なお、同社は2026年1月までの3年間に50億米ドル規模の自社株買いを実施する計画。2023年9月末までに12%を消化した。

 BOCIは同社の米上場株(NTES)と香港上場株の目標株価をそろって引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面の潜在的なリスク要因としては、中国経済の低迷とオンライン支出の弱さ、国内の規制強化の可能性(ゲーム配信認可やコンテンツ検閲、未成年者向け規制など)に加え、市場競争の激化、投資の失敗、パートナーシップの停滞、ADR(米預託証券)の上場廃止などの可能性を挙げている。