2023年7-9月期の利益率下押しも「X9」投入効果に期待
現地コード | 銘柄名 |
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09868 |
小鵬汽車 (シャオペン) |
株価 | 情報種類 |
63.00HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の新興EV(電気自動車)メーカー、小鵬汽車の2022年7-9月期の売上高は前四半期比68.5%増と、予想をやや下回った。製品構成の変化や従来型モデルの販促に伴う平均販売価格の低下で、利益率の回復が鈍かったため。続く10-12月期の納車台数に関する同社の予測は5万9,500-6万3,500台。BOCIはこれを妥当な水準とし、大型MPVセグメントでトップを狙う新型モデル「X9」の売れ行き次第で、さらに上振れる可能性があるとみる。また、同社の充実した新製品候補と売れ筋モデルの開発力を評価し、2023-25年の予想販売台数を上方修正した。短期的には利幅の低迷が響くとしながらも、採算化に向けた同社の明確な目標を前向きに評価。損益見通しの上方修正に伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
7-9月期の売上高は85億元と、2021年10-12月期の過去最高水準に迫ったが、価格競争が激化する中、平均販売価格は前年同期比7.1%低下した(前四半期比では2.8%高)。車両販売における粗利益率は3四半期連続で低下した後、7-9月期にはマイナス6.1%と、前四半期のマイナス8.6%からやや改善したものの、BOCIの予想を下回った。
続く10-12月期には、利幅の高い新型「G9」の比重の拡大やバッテリー調達コストの低減により、粗利益率が改善する見込み。経営陣はコスト削減目標を予定より前倒しで達成する可能性に言及。「X9」の投入に伴う製品構成の改善で、向こう2年間にわたって利益率の上昇傾向を維持できるとの自信を示している。
車両粗利益率の下押しで、同社全体の7-9月期の営業損失は前四半期比ほぼ横ばいの32億元。純損失は前四半期の28億元から39億元に拡大した。ただ、これはフォルクスワーゲンによる同社への戦略投資に絡む一時的な評価損9億7,200万元が響いたため。営業キャッシュフローはプラスに転じ、フリーキャッシュフローは10億元の大台を超えた。
BOCIは年初から投入した新型モデルに対する予想以上の好評価や滴滴(DiDi)との協業による新型モデル1種、自前のSEPAアーキテクチャを採用した新型モデル2種などの追加貢献を理由に、2023-25年の予想販売台数を14万3,000台、32万台、45万台(修正前は13万9,000台、25万台、31万台)に引き上げた。2023年の売上高に関しては、販売台数の上振れと平均価格の下押しを反映させる形で、312億元との予測を維持。2024年、2025年に関しては24-30%増額修正し、731億元、921億元に設定した。
半面、予想を下回る従来型モデルの利幅や年初からの市場競争の激化を理由に、実質(非GAAP)ベースの2023-24年の予想純損失を4-7%拡大し、92億元、64億元に設定。2025年に関しては、スケールメリットの拡大やコスト削減効果から、予想純損失を逆に25%引き下げ、32億元とした。また、2024年予想PSR(株価売上高倍率)2.5倍を引き続きあてはめ、米上場株、香港上場株の目標株価をそれぞれ引き上げている。