日本の株価・地価・物価・賃金は国際比較で「割安」と考える
日経平均株価が年初来高値に迫る中、「バブルだ、もと来た道だ」と警鐘を鳴らす人もいます。私はそうは思いません。日本株は割安で、日経平均は早ければ2年、遅くとも4年以内に4万円まで上昇すると予想しています。
日本株がバブル相場だった1989年と今では、日本企業の財務内容・収益力・ビジネスモデル・ガバナンスがまったく異なるからです。日本株のPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)は当時に比べて低く、配当利回りは高くなりました。日本株は当時と比べて、格段に割安になったと判断しています。
30年前、日本の株価・地価・物価・賃金は、国際的に比較して極めて「高い」水準にありました。今は、その逆です。株価・地価・物価・賃金は、国際的に比較して「割安」になっていると思います。割安な株価が評価されて、日経平均は4万円に向けて上昇すると予想しています。
<日経平均(年次推移):1973~2023年(11月15日)>
1973年当時、日経平均は5,000円前後でした。東証一部のPERは約13倍でした。この時の日本株は「割安」でした。
ところが、その後、日経平均はどんどん上がり続け、1989年(平成元年)末には3万8,915円の史上最高値をつけました。この時、東証一部のPERは約70倍まで上昇し、10~20倍が妥当と考える世界の常識をはるかに超えた「バブル」となりました。
バブルは、平成に入ってから崩壊しました(1989年)。ただし、「平成の構造改革」で復活した日本株は2009年以降、再び、上昇トレンドに戻りました。今、東証プライム市場の予想PERは約15倍に低下し、再び割安になったと判断しています。
私は「日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えている」と考えていることをいつもお話ししています。ただし、割安な株を買えば、いつでも上昇するというわけではありません。世界景気の変動にともなって、世界景気敏感株である日本株は、外国人の売りや買いによって急落・急騰を繰り返します。
したがって、リスク管理は大切です。時間分散しながら、日本株に投資していくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。
日経平均が4年以内に4万円に上昇すると予想する根拠
私は、平成の構造改革で投資価値が高くなった日本株は令和時代にさらに飛躍すると予想しています。日経平均は、4年以内に史上最高値(1989年12月末の3万8,915円)を超え、4万円に到達すると予想しています。
EPS(1株当たり利益)の増加が、日経平均の上昇をけん引すると予想しています。バブルではなく、企業価値の増加によって株価が上がっていくと予想しています。その根拠をお話しします。
まず、前提条件ですが、楽天証券経済研究所では4年後までに東京証券取引所上場企業のEPS(加重平均)が25.7%増加すると予想しています。年率平均で5.9%の上昇を予想です。これにより、TOPIX(東証株価指数)が4年で25.7%上昇、日経平均もこれに連動することを前提としています。
日経平均の11月15日終値は3万3,519円です。そこから25.7%上昇すると4万2,133円となります。それが、4年以内に日経平均が4万円に到達すると予想する理由です。
ただし、早ければ日経平均は2年で4万円に到達する可能性もあると考えています。PERを切り上げながら上昇すると2年での到達もあり得ます。1株当たり利益が年率5.9%増加し、PERが15倍から16倍に切り上がると、2年で日経平均は4万円に到達します。