投資家タイプによって、取るべき投資行動は異なる

 投資家にはいろいろなタイプがあります。極めておおざっぱに二つのタイプに分けると以下の通り。

<タイプA>投資対象が急騰急落しても冷静さを失うことなく、リスクに適正に対処できる投資家
<タイプB>投資対象が急騰急落すると、欲望や恐怖にとらわれて不適切な行動を取る投資家

 皆さまは、どちらのタイプでしょうか?

 タイプBの投資家が、投信Aを買うと、こうなります。

出所:筆者作成

 タイプBの投資家は、投信Aが急騰した時に「簡単にもうかる」と欲望にとらわれて買い増ししてしまいます。投信Aが急落した時は、恐怖にとらわれて売ってしまいます。その結果、4年間じっと持っていればもうかったのに、大損してしまいます。

 一方、タイプAの投資家が、投信Aを買うと、こうなります。

出所:筆者作成

 皆さまは、どういうタイプの投資家ですか? タイプA、タイプBはやや極端な類型です。実際には、ほとんどの方がタイプAとBの中間だと思います。時にタイプAのようになり、時にタイプBのようになるのが、もっとも普通の投資家だと思います。

正解は一つではない。投資家のタイプ、投資の仕方によって異なる

 投信AとB、どちらがあなたにふさわしいか、解答を述べます。

 以下は、全て正解です。

  1. あなたがタイプAならば、投信Aが正解です。
  2. あなたがタイプBならば、投信Bが正解です。ただし、投資の仕方によってはタイプBでも投信Aが正解になることがあります。
  3. タイプBでも、毎月一定額(例えば1万円)積み立てで投資していくならば、投信Aが正解です。
  4. タイプBでも、投信Aと投信Bに分散投資すれば、うまくいくこともあります。例えば、「投信Aに4分の1、投信Bに4分の3」投資するならば、欲望や恐怖にとらわれることなく長期投資できるかもしれません。

 不正解は、タイプBの投資家が、分散投資せず、積み立てもしないで、投信Aだけに投資することです。

 米国株は長期的に大きく上昇しています。日本株も、バブル後は、しっかり上昇しています。それでも「株を売買していて損ばかり」という人は、タイプBの投資家かもしれません。「自分はタイプBかも」と思う方は、下手にうまく投資しようとせず、投資の王道「長期・分散・積み立て」投資をしっかりやっていくことが、長期的に投資で成功するカギとなります。