成長株で一番大切なのは「成長ストーリー」!

 増収増益率、高ROE、自己資本比率の高さ、時価総額の小ささなどが選別の基準になる成長株投資。

「なんといっても一番大切なのはその会社の成長ストーリーです」(森永氏)

 結局、斬新でユニークで世の中を変えるような製品やサービスが支持を集め、どんどんビジネスが拡大していかない限り、その会社の株価上昇も望めないからだ。

「今ならビッグデータ、クラウドコンピューティング、5G(第5世代移動通信システム)、IoT(モノのインターネット)などが急成長を遂げそうなテーマや市場と言えます。そうした成長分野で、他社の追随を許さない製品競争力や商品開発力を持っているか。また、その優位性は一過性の流行ではなく数年程度持続するものか、といった自分なりのロジックでその会社の『成長ストーリー』を見立てること。それが成長株投資では一番大切なことです」(森永氏)

 森永氏が勧めるのは、企業が決算期に発表する「決算説明会資料」をよく読むこと。業績の数字だけが並んだ「決算短信」と違い、決算説明会資料には、その会社のビジョンや目指しているもの、各事業分野の収益状況、競合他社に比べてどこが優れているかといったことが、グラフも使って、丁寧に説明されている。

「決算説明会資料は会社自身が描いた『成長ストーリー』です。決算説明会資料をよく読んだ上で、それを鵜呑(うの)みにせず、『じゃあ、この会社とライバル会社の業績の伸びや利益率にはどれぐらいの差があるんだろう』と決算短信の数字を調べて有望株を探す。成長株投資にはそんな地道な努力が必要なんです」

 森永氏は仕事柄、成長株投資で大成功している個人投資家たちに会う機会も多い。そうした成功者にはとても研究熱心な努力家が多いと言う。