2023年中間期は30%増収で大幅減益、国内の需要萎縮と競争激化に直面

現地コード 銘柄名
06127

北京昭衍新薬研究中心

(ジョイン・ラボラトリーズ)

株価 情報種類

15.70HKD
(9/1現在)

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 北京本社の医薬品開発受託会社、北京昭衍新薬研究中心の2023年6月中間決算は売上高が前年同期比30%の伸びだった。海外売り上げ比率が前年同期の22%から29%に上昇したが、これは国内の需要萎縮によるもの。数億元規模のキャンセルが発生し、6月末の受注残高は約39億元と、3月末比で16%縮小した。経営陣によれば、7-8月も受注状況に改善は見られないという。一方、中間期には需要の弱さや市場競争の激化を受けた前臨床プロジェクトの価格下落とコスト高で、粗利益率が前年同期比4.4ポイント低下。生体(非ヒト霊長類)資産の多額の評価損も打撃となり、純利益は76%の大幅減だった。BOCIは受注残高の縮小などを反映させる形で、2023-25年の収益見通しを減額修正。目標株価を大きく引き上げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2023年上期の売上高は前年同期比30%増の10億2,000万元。海外で69%の大幅増収を達成する半面、中国では19%の増収にとどまり、海外売り上げ比率が前年同期の22%から29%に上昇した。経営陣はこの比率をまずは30%超に引き上げる方針。将来的にはリスク許容度の向上に向け、50%を目指すとしている。

 粗利益率は上期に44.2%と、前年同期の48.6%から低下した。需要低迷と競争激化を受けた前臨床案件の価格低下とコスト高に加え、米子会社が立ち上げた新規施設の稼働率の低迷が響いた。こうした要因から、経営陣は短期的に、粗利益率の低下傾向が続く可能性を指摘している。

 上期の純利益は前年同期比76%減の9,100万元。ラボラトリーサービス(試験・検査など)の純利益が31%増の1億9,500万元に上る半面、生体資産の評価損1億8,300万元を計上したことが打撃となった。中国当局の調達情報を見ても、非ヒト霊長類の平均価格は下落傾向。BOCIは国内の研究開発需要の萎縮で、4-6月には平均価格が1万-2万元下落した可能性を指摘している。同社の生体資産は高品質で、価格も本来底堅いものの、経営陣によれば、生体価格の変動が今後も利益の下押し圧力につながる可能性がある。

 6月末の受注残高は約39億元と、3カ月前の46億元から縮小した。バイオテクノロジー企業からの受注や引き合いが減少する半面、伝統的な製薬会社からの受注が増えたが、いずれにせよ、7月、8月も受注は回復せず、厳しい状況が続いているという。

 BOCIは受注残高の縮小を反映させ、2023-25年の予想売上高を5%、12%、17%下方修正。さらに価格競争の激化を背景に、予想粗利益率を各3ポイント引き下げ、非ヒト霊長類の価格低下を理由に、予想純利益を61%、43%、41%減額修正した。ディスカウントキャッシュフロー方式に基づく目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては、市場競争の激化やバイオテック部門の資金圧力、実験モデルの値下げなどの可能性を挙げている。