2023年中間期は5%のコア減益、通期の利益見通し下方修正

現地コード 銘柄名
02688

新奧能源控股

(ENNエナジー)

株価 情報種類

78.40HKD
(8/25現在)

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 中国の民間ガス会社、新奥能源の2023年6月中間決算は、純利益が前年同期比7%増の33億3,000万元と、BOCIの予想を7%上回った。ただ、長期のLNG輸入契約に絡むヘッジ損益などを除外したコア利益は同5%減の39億元。ガス小売販売量の縮小と、統合エネルギー(熱源・電力・蒸気など天然ガス以外のエネルギー)事業の単位当たり価格の低下が響いた。BOCIは続く下期の利益について、上期比11%増を予想。ガス卸売販売業務と統合エネルギー事業が寄与する見通しを示している。一方、2023-25年に関しては、利益見通しを15-20%減額修正。目標株価を引き下げながらも、年初からの大幅な株価の下落を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 ガスの小売販売量は上期に前年同期比7%減。工業顧客向けの12%減が響いた。国内の石油メジャーに押される形で、主に発電プラント向けの販売量が1bcm(10億立方メートル)規模で縮小したため。ただ、その影響で、単位(1立方メートル)当たりの利幅は前年同期の0.50元から、0.52元に改善した。

 統合エネルギー事業を見ると、上期のエネルギー販売量は前年同期比45%増。新規のプロジェクトが販売量の伸びに寄与したが、その半面、販売単価は同10%下落した。

 同社経営陣は2023年通期のガス小売販売量に関する見通しを「前年比10%増」から「同5%以上の減少」に引き下げ、予想販売単価を1立方メートル当たり0.50元から0.51元に上方修正した。コア利益に関する最新予想は前年比5%弱の減少。「10%以上のコア増益」から、大幅に下方修正したことになる。

 BOCIは2023年下期の利益について、上期比で11%増を見込む。ガス卸売販売と統合エネルギー事業の貢献が予想されるためで、後者に関しては、主に新規プロジェクトが寄与するとみる。

 一方、2023-25年の利益見通しは15-20%減額修正したが、これはガス小売販売業務と統合エネルギー事業の売り上げ見通しや粗利益率見通しの下方修正によるもの。うちガス小売業務に関しては、予想粗利益を18-21%下方修正。予想販売量を14-17%引き下げた。ただ、同社株のこれまでのパフォーマンスは同業銘柄の中でも最悪の部類だったとし、多くのマイナス要因はすでに株価に反映されたとみている。

 BOCIは利益見通しの下方修正と2023年末以降の人民元の予想為替レートに関する予測値の変更(1米ドル=6.7元→7.1元)を反映させる形で、ディスカウントキャッシュフロー方式に基づく目標株価の算出基準を下方修正。これに伴い、目標株価を引き下げた。新たな目標株価は2023年予想PER(株価収益率)で12.2倍に当たる水準となる。一方、レーティングの引き下げにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは統合エネルギー事業の利幅やガス小売販売部門の利益が予想を下回る可能性を挙げた。