著者プロフィール

          

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。2023年6月「新しいNISA かんたん最強のお金づくり」(河出書房新社)を発売。

YouTube:資産形成ハンドブック
Twitter:@ken1yokota 

 

 こんな仕事をして、あんな家に住んで、結婚したら子どもはできれば2人欲しい…。将来のことを考えたとき、そのライフプランが絵に描いた餅にならないようにするためには、計画を実現するために必要なお金のことについても把握しておくことが大切です。今回は、人生でかかるお金についてご説明します。

人生の貯め時と使い時

 人生100年時代と言われ、いわゆる定年退職を迎える60歳以降も働き続ける方が増えています。いつまで、どのように働き続けるかは人それぞれですが、社会に出て以降の人生を考えると、前半でお金を稼ぎ、貯め、後半では年金を受け取りつつ、貯めてきたお金を取り崩して使っていくという順番はみなさん同じかと思います。

 これを大まかなイメージとして図にすると、次のようになります。

出所:筆者作成

3大支出の最新動向(1)住宅費

 日々の生活費ももちろん大切ですが、人生にはいわゆる3大支出と呼ばれる大きな支出があります。「住宅費」「教育費」「老後生活費」の三つです。

 この3大支出で予算を間違えてしまうと、お金の面で苦労する可能性が一気に高まります。逆に言えば、これら3大支出を適切にプランニングできれば、日々の生活費で多少使いすぎたとしても、それほど苦労なく過ごせるのではないかと思います。

 ということで、3大支出の最新動向について確認していきましょう。

 一つ目は住宅です。マイホームを購入するか、賃貸にするか、というのは結論の出ない永遠のテーマですが、実際に購入するといくら位なのでしょうか。

 次の表は、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」を利用した人を対象とした、マイホーム購入価格の調査結果です。全国の数字で見ると、マンションが最も高く4,528万円、続いて土地付き注文住宅の4,455万円、最も安いのが中古戸建の2,614万円でした。

住宅の購入価格:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」(2021年度)

単位:万円。

 ただ、不動産は立地によってかなり金額差があります。例えば、不動産経済研究所が2023年4月18日に発表した調査結果によると、東京23区の新築マンション価格は9,899万円でした。

 どこに住むかによって、人生の予算は大きく変わってきそうですね。