無謀な取引をせず、着実に資産を増やした

──著書『10万円から始める!割安成長株で2億円』を読ませていただきました。2019年に、当初の予定より1年早く資産2億円を達成されたとのことですが、今はもっと増えているのですか。

 今は2億4,000万円くらいです。

──ということは、コロナ・ショック後も順調に増えているのでしょうか。

 いいえ、2020年も1,400万円くらいプラスで終えましたが、そのほとんどはコロナ・ショック前に売却した銘柄による利益です。3月に株価が暴落した後は、ほとんど売り買いはしていません。今も10銘柄ほど持っていますが、しばらく買い増しはしていません。

──3月以降は静観していたのですか。

 はい。3月に暴落した時点では底が読めませんでした。コロナが収束するとは思えないし、2番底、3番底が来てもおかしくないだろうと思っていました。そのリスクを考えると、積極的に動く気にはなれなかったですね。

──結果的には3月下旬にリバウンド局面に入りました。

 はい、大きく稼ぐチャンスを逃したという思いがあります。実際、暴落後に底値で買って利益を出した人もいます。

──これまでの収支を見ると、非常に安定されています。年間トータルでマイナスなのは2007年だけですね。

 僕は含み損や含み益は計算せず、確定ベースで収支をつけています。つまり、利益確定した額から、損切りによって生じたマイナス分を差し引いた金額です。それだと2007年以外はプラスです。

 ただし、リーマン・ショック後の2、3年は含み損がけっこう大きかったので、実質的にはマイナスだったと思います。

──それでも十分、安定した成績といえると思います。

 そうかもしれません。ひと晩で大金を失い、市場からの撤退を余儀なくされそうになったとか、そういうドラマチックな経験はありません(笑)。

──著書を拝見する限り、非常に堅実な取引を心掛けていらっしゃいます。いちかばちかみたいな買い方は絶対されないし、信用取引もされていません。
 だからこそ安定した成績を残せるのだと思います。そんな投資スタイルからすると、コロナ・ショック時に静観していたのもわかるような気がします。

 ただ、もうちょっと相場を読む力があったら、違う選択ができたかなとも思います。そういう意味では少し後悔しています。