※このインタビューは2021年1月30日に実施し、2021年2月19日に初回掲載したものです。
『10万円から始める!割安成長株で2億円』(ダイヤモンド社)という本が話題になっています。筆者は現役サラリーマンの弐億貯男(におくためお)さん。2002年、27歳のときに株式投資をスタート。2020年までに2億円貯めるという目標を掲げ、2015年に1億円、2019年に2億円を達成しました。
今回は、ブログ『サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみました。』やツイッターでも投資情報を発信している弐億貯男さんに、資産2億円を実現した投資術について伺いました。
元手250万円を年率30%で増やせば18年で2億円に
──今日は、信用取引なしで、どうやって2億円を達成したのかについてお伺いしたいのですが、その前に。投資を始めた頃、「2020年までに2億円貯める」という目標を立てたとのことですが、何かキッカケがあったのですか。
僕は2002年に株式投資を始めました。当時、「日経平均株価が最安値を更新」という報道があり、「今、最安値ならこれから上がるに違いない」と考え、100万円を元手に始めました。結局、100万円では足りず、150万円追加しましたが。それで、2年目から売買記録を取るようになり、記録をつけるなら、目標を決めたほうがいいかなと思ったんです。
──2億円というとかなりの額です。この金額を目標にした理由は何でしょうか。
その頃、サラリーマンの生涯年収が2億円といわれていました。つまり、2億円稼いで会社を辞め、悠々自適の生活を送ろうと思ったんです。ちなみに「弐億貯男」というハンドルネームもそのとき決めました。
──2020年にしたのはなぜですか。
それまで投資した250万円を2億円にするには、どう増やしていけばいいか考えたんです。計算してみたら、年率+30%を達成し続ければ、2020年に2億円を超えるとわかりました。
年率+50%だと2014年に超えますが、さすがに年率+50%はきついかなと。年率+30%ならいけるかもしれないと思い、2020年に設定したんです。
──元手250万円を、毎年30%ずつ増やしていくと、18年で2億円になるのですね。
はい。ちなみに元手が100万円だったら22年で2億円を超えます。
──1年で30%増やすのも、簡単ではないですよね。
僕はまだ投資を始めたばかりでしたから、結構気楽に考えていて。100万円を130万円にすればいいんでしょ、みたいな。
でも、実際には簡単な数字ではありません。1年、2年ならともかく、10年、20年継続しなければ億には届かないわけです。今、振り返ると、よくそんな無謀な目標を立てたと思います(笑)。
──でも、なにしろ実現してしまったわけですから、無謀とはいえないと思います。それに2億円という目標を立てていなかったら、違う結果になっていたかもしれません。
そうですね。そういう意味では目標を設定して正解だったかなと思います。
無謀な取引をせず、着実に資産を増やした
──著書『10万円から始める!割安成長株で2億円』を読ませていただきました。2019年に、当初の予定より1年早く資産2億円を達成されたとのことですが、今はもっと増えているのですか。
今は2億4,000万円くらいです。
──ということは、コロナ・ショック後も順調に増えているのでしょうか。
いいえ、2020年も1,400万円くらいプラスで終えましたが、そのほとんどはコロナ・ショック前に売却した銘柄による利益です。3月に株価が暴落した後は、ほとんど売り買いはしていません。今も10銘柄ほど持っていますが、しばらく買い増しはしていません。
──3月以降は静観していたのですか。
はい。3月に暴落した時点では底が読めませんでした。コロナが収束するとは思えないし、2番底、3番底が来てもおかしくないだろうと思っていました。そのリスクを考えると、積極的に動く気にはなれなかったですね。
──結果的には3月下旬にリバウンド局面に入りました。
はい、大きく稼ぐチャンスを逃したという思いがあります。実際、暴落後に底値で買って利益を出した人もいます。
──これまでの収支を見ると、非常に安定されています。年間トータルでマイナスなのは2007年だけですね。
僕は含み損や含み益は計算せず、確定ベースで収支をつけています。つまり、利益確定した額から、損切りによって生じたマイナス分を差し引いた金額です。それだと2007年以外はプラスです。
ただし、リーマン・ショック後の2、3年は含み損がけっこう大きかったので、実質的にはマイナスだったと思います。
──それでも十分、安定した成績といえると思います。
そうかもしれません。ひと晩で大金を失い、市場からの撤退を余儀なくされそうになったとか、そういうドラマチックな経験はありません(笑)。
──著書を拝見する限り、非常に堅実な取引を心掛けていらっしゃいます。いちかばちかみたいな買い方は絶対されないし、信用取引もされていません。
だからこそ安定した成績を残せるのだと思います。そんな投資スタイルからすると、コロナ・ショック時に静観していたのもわかるような気がします。
ただ、もうちょっと相場を読む力があったら、違う選択ができたかなとも思います。そういう意味では少し後悔しています。
割安成長株狙いに切り替え、飛躍的に成績が上がった
──弐億さんは、本のタイトルにあるように「割安成長株」投資で2億円の資産を築きました。最初から「割安成長株」に注目していたのですか。
最初は全くの素人でしたから、割安株だとか、成長株だとかいっさい考えず、自分にとって身近だったゲーム関連や外食関連の銘柄を買ってました。割安成長株を狙うようになったのは、2年目に売買記録を付け始めた頃からです。
──何かきっかけがあったのでしょうか。
僕は勉強らしき勉強はしていないのですが、それでも入門書みたいなものは何冊か読みました。そういう本で割安株を狙う投資法を知ったんです。
簡単に説明すると、割安株というのは、単に株価の安い銘柄を指すわけではありません。会社の業績や資産からすると、もっと株価が高くていいはずなのに、何らかの理由で安いまま放置されている、本来の実力に比べて過小評価されている…そういう銘柄を割安銘柄といいます。
正当に評価されれば株価が上昇する可能性があるわけで、なるほど、それはたしかに狙い目だと思ったんです。
──一般に「バリュー投資」といわれる投資法ですね。弐億さんはさらに、そこに「成長」という要素を加味されています。
いくら割安でも、その会社が停滞していたら株価が上がることはないだろうと考えました。だから、割安で、なおかつ成長しそうな企業の株を狙うことにしました。それが勝つための最善の策ではないかと考えたんです。
──すぐに結果が出たのですか。
はい、マネー雑誌を読んだりして割安成長株を探したところ、新興不動産銘柄に行きつきました。それで、シノハラ建設システム(現シノケングループ)、原弘産(現REVOLUTION)、セイクレスト(上場廃止)といった銘柄を購入したら、不動産ミニバブルのタイミングに合致したこともあり、大きく稼ぐことができたんです。
──好スタートを切れたのですね。
実をいうと、投資を始めた最初の年はかなり苦労しました。100万円では足りず、150万円追加したと話しましたが、これは含み損が増え、追加投資せざるを得なくなったからなんです。
その含み損は、さいわい取り戻すことができましたが、2年目も同じ失敗を繰り返すのは避けたいところでした。そういう意味でも割安成長株投資に切り替えて正解でした。
──なるほど。
中編では割安成長株投資について、もっと詳しくお伺いします。
※このインタビューは2021年1月30日に実施し、2021年2月19日に初回掲載したものです。
>>中編:兼業投資家におススメの割安成長株投資
>>後編:IPOセカンダリー投資で6,000万円!銘柄選びのコツ
【書籍紹介】『10万円から始める!割安成長株で2億円』-読みどころや制作秘話を紹介!
10倍期待株2021:非コロナ関連銘柄10選・弐億貯男さん(2020年12月7日掲載)
会社員でも株で年30%!2億円達成!弐億貯男さんの割安×成長株発見のカギはIPO(2020年7月31日掲載)
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