※この記事は2022年11月25日に掲載されたものです。 

 20代で1,500万円を貯め、現在、世界一周旅行をしながら、インスタグラムで、つみたてNISAや高配当株などの投資情報を発信している、はるあきさんインタビュー中編をお届けします。今回は、お2人が保有しているファンドや銘柄についてお伺いしました。

米国株式VS全世界株式、どっちを選ぶべき?

──前回、預金3,投資2の比率で保有されているとお聞きしましたが、「投資」の内訳をお伺いできますか。

はるさん 全体の7割ほどはインデックスファンドです。これはインスタでもいつも書いているのですが、長期的かつ安全にお金を増やしたいと思ったら、S&P500(S&P500種指数)やNYダウ(ダウ工業株30種平均)といった株式指標に連動した値動きをするインデックスファンドで運用するのが賢明だと思います。

──毎月、積み立てているのですか。

はるさん はい、2人別々に口座を持ち、それぞれ積み立てを行っています。もちろん、つみたてNISAも活用しています。

──どのファンドを積み立てているのですか?

はるさん 僕は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と、もう一つS&P500連動型のインデックスファンドで、毎月同じ額を積み立てています。

あきさん 私は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と「楽天・全米株式インデックス・ファンド(VTI)」です。

──「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」はその名の通り、世界中の株式に分散投資できるファンドです。世界経済が成長すればするほど、高いパフォーマンスを得られます。一方、お2人がお持ちのもう一つのほうは、米国経済に投資するファンドですよね。

はるさん 世界経済に投資するか、米国経済に投資するかは、誰もが悩むところだと思うんです。つみたてNISAを始めるときも、どちらのファンドを選ぶか、迷うのではないでしょうか。僕たちも一緒で、さんざん悩んだのですが、それでも決めきれず、両方、積み立てることにしたんです。

──過去のパフォーマンスを比較すると、米国経済に投資するファンドのほうが勝っていますよね。

はるさん はい。これはあくまでも僕の考えですが、今後5年、10年というスパンで考えるなら、米国経済に投資するほうが確実かもしれません。しかし、30年、40年というスパンだと、なんともいい難いと思うんです。新興国が躍進すれば、逆転することもありうるでしょう。

──何十年も先のことなんてわかるわけがないから、両方買っておこうということですね?

はるさん それがいちばん無難かなと。

あきさん どちらか一つを選択し、もし予想が外れたら、何十年後かに、すごく悔しいというか、後悔すると思うんですよ。それは嫌だなって(笑)。

はるさん ただ、一つつけ加えておくと、世界経済に投資するファンドの「世界経済」には米国経済も含まれます。つまり、「全世界株式」を選んでも、米国の経済成長の恩恵を受けられないわけではありません。そういう意味では、例えば資金が限られている人や、どうしても決められない人は、「全世界株式」だけでもいいのかな、と思います。

投資初心者はつみたてNISAから始めよう

──お2人のインスタグラムを見ると、つみたてNISAに関するコンテンツが多いですよね。

はるさん 最近はつみたてNISAを入口に投資を始める人が多いですからね。フォロワーさんからの質問やリクエストでも、つみたてNISAのことをもっと知りたいという声が多いんです。

──初心者はつみたてNISAから始めるのがやっぱりいいんでしょうか。

はるさん 僕はそう思います。通常、株式投資で利益を出すと、約20%の税金がかかります。100万円利益を出すと、20万円税金が引かれるので、手元に残るのは80万円です。つみたてNISAを利用すれば税金がかからないので、100万円丸ごともうけになるわけです。

あきさん それに、つみたてNISAで買えるのは、金融庁が指定した、一定の基準を満たしたファンドから選びます。ある意味、国のお墨付きのファンドといえるので、初心者でも安心して買えるよさがあります。

──つみたてNISAは、年間40万円と投資できる上限が決まっています。月にすると、3万3,333円です。20代、30代くらいだと毎月3万円積み立てるのは厳しいという人もいると思いますが、それでも始めたほうがいいですか。

あきさん その質問はフォロワーの方々からもよく受けます。「毎月どれくらい積み立てたらいいのですか?」という質問など…。

──どう回答していますか?

あきさん 「資金的に余裕があるなら満額投資したほうがいいけれど、それが無理ならば、月5,000円でも1万円でも構わない。とにかく今すぐ始めてみてはどうでしょうか」と答えます。まずは無理のない金額で始め、余裕ができたら増やせばいいと思います。

──お2人のインスタグラムには、つみたてNISAを始めるとき、どんなことに注意すべきかなども書かれていますから、それらをよく読んでから始めるといいかもしれませんね。

あきさん はい、ぜひ参考にしてほしいです!

高配当株投資の魅力とは?

──投資資産の7割はインデックスファンドとのことですが、残りは何を保有しているのですか。

はるさん 金額的には多くありませんが、個別株投資を行っています。米国株のETF(上場投資信託)と日本の高配当株です。

──インスタグラムには高配当株投資に関するコンテンツもけっこうあります。銘柄数でいうとどれくらいお持ちなんですか

あきさん 全部で60銘柄くらい…だよね?

はるさん それくらいだね。

──60銘柄ですか。日本株は、100株以上でないと買えないですよね。60銘柄となると、そうとう資金が必要だと思いますが。

はるさん 僕らが買っているのは、いわゆる「単元未満株」です。通常100株からしか購入できない株式を、1株単位で買えるため、資金が少なくても始められるのがメリットです。僕たちはほとんど1株単位で購入し、好調だったら買い増すという方法を取っています。

──なるほど、そういうことですね。でも、なぜ単元未満株を? 資金が限られていても1銘柄か2銘柄程度であれば、100株買えるのではないですか。

はるさん 1銘柄、2銘柄に絞るのは、やっぱりリスクがあると思うんですね。その銘柄の株価が急落したら、大きな痛手を被ることになります。その点、単元未満株であれば、資金が少なくても分散投資できます。

──分散投資したいなら、インデックスファンドなど投資信託を買えばよいのでは?

はるさん それはそうなのですが、個別株投資にはもう一つ、魅力があります。投資信託と違い、保有している株数に応じて配当金がもらえることです。もちろん、個別株全てというわけではなく、配当金のある銘柄に限りますが。

──株主優待は100株以上でないと権利を得られませんが、配当金は1株保有でももらえるわけですね。

はるさん はい、ただ、1株だとわずかな金額です。株価が5,000円で、配当利回りが3%だとすると150円です。

──でも、60銘柄全て1株ずつ保有しているわけではないんですよね。

はるさん はい、10株とか持っているものもけっこうあります。だから、全て合わせるとそれなりの金額になります。

──配当金って保有しているだけでもらえるわけじゃないですか。いわば「不労所得」です。そういう意味では、たとえ金額が少なくてもうれしいでしょうね。

はるさん そう、それが高配当株投資のよさです。インデックス投資は、長期間続けることに意味があるので、通常、売却することはありません。もちろん、売るのは自由ですが、売るとソンをすることが多いので、ほとんどの人は長期にわたって持ち続けます。だから、もうかったとか、稼げたとか、そういう実感がない人も多いと思います。

──証券口座を見て、資産が増えていたら、それはそれでうれしいでしょうけど、実際に現金を手にすることはないので、実感は湧きにくいかもしれませんね。

はるさん その点、高配当株投資であれば、1年に1回か2回、配当金として現金をもらうことができます。

あきさん 「今日は配当金が入ったから、おいしいものを食べに行こう」なんてこともできるんです(笑)。

──それも投資の醍醐味(だいごみ)でしょうね。

はるさん はい、投資を続けるモチベーションにもなりますよね。だから、僕はインデックスファンドと高配当株の両方を保有するのは一つの方法だと思います。

──ちなみにどんな銘柄を保有しているのですか?

はるさん 比較的多く保有しているのは、オリックス(8591)、信越化学工業(4063)、日本ケアサプライ(2393)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三菱商事(8058)、KDDI(9433)などです。

──日本を代表するような企業ばかりですね。1株保有でも10株保有でも株主には違いないわけですから、他人に自慢できそう(笑)。

はるさん 分かりやすくていいでしょう(笑)。

──では、次回はご夫婦ならではの投資のメリットや、今後のことについてお伺いします。

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