ベストを追い求めるのはやめて、シンプルなスタイルに

──でも、結局はバランス型のインデックスファンドに。

 一つ、きっかけがあったんです。当時、僕は職場の同僚などにもインデックス投資をすすめていたのですが、彼らが購入したインデックスのバランスファンドのパフォーマンスを見たら、すごくよかったんです。僕が何百時間もかけて作り上げたポートフォリオを上回るほどでした。時間と労力をかければ、それに見合ったリターンが得られると思っていたのに、必ずしもそうではなかったわけです。それで、あれこれ考えることに虚しさを覚えたというか。これからはシンプルにやろうと思ったんです。

──一攫千金はあきらめた?(笑)

 もともとそんなつもりはなかったんですよ。そもそも会社勤めの身ですから毎日何時間もチャートを見続けるなんて無理ですし、ことさら頭がいいわけでも運がいいわけでもないですし。ところが、そのうち欲が出てきた(笑)。今はそのままどっぷり深みにはまらず引き返して正解だったと思っています。

──ところで、当初はそうとう勉強されたとのことですが、どんな本を読んでいたのですか。

 当時、投資関連の本というと、それこそ一攫千金を狙おうみたいなものが多く、インデックス投資に寄ったものはほとんどありませんでした。だから、マクロ経済、ミクロ経済といった学術的な専門書などもけっこう読みました。難しすぎて、何が書いてあるのかさっぱりでしたね(笑)。

──オススメの本はありますか。

 私が投資を始めたころに読んで非常に参考になったのは、北村慶さんの『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』ですね。投資が上手な人というのは、こまめに売ったり買ったりしているわけではない。さまざまなアセットクラスを保有し、そのうちのどれかが高騰したら、その一部を売却し、その資金で安くなっているものを買い増すというリバランス作業を機械的に繰り返しているだけであるのに驚きました。それが賢い投資スタンスだと。

 最初、読んだとき、なるほど、そういうことなのかと目からウロコが落ちる思いでした。あと、投資関連の名著といわれる『ウォール街のランダム・ウォーカー』や『敗者のゲーム』も一読する価値があると思います。

──すでに投資を始めてから十数年経つわけですが、ずっと順調ですか。

 いや、そうとはいえません。多くの投資家の方々同様、僕もリーマンショックのときにはかなりの含み損を抱えました。

──後半ではそのあたりをお伺いします。

 

読者へのメッセージ

不思議な魅力あるイラストNo.1

続けることが大事
タイミングを見ず、凝りすぎず、のんびりと続けていると、増えていることが多いのがインデックス投資です。さらに1カ月たったの5分程度でできるんですから、いいですよね。(笑)   

後編に続く>>

※このインタビューは2018年10月4日に実施し、2018年10月19日に初回掲載したものです。

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